和解のヒーローは。 ページ34
「すまない、俺は.......。」
「謝らせたくて言っているわけじゃないからねぇ。誤解だけはときたかった、それだけ。」
嗚呼、こいつは、本当は、優しい人間なんだ。
自分本意に見えるが、わかった。
感じた。
雪城、A。お前は本当に、
「いい奴、だな。」
「今それを言うかい？とにかく、もう少し人を見る目は養った方がいいと思うねぇ。僕が馬鹿な妹が嫌いだから、一方的に押し付けた考えを言っているだけだけども。」
呆れたように肩を竦めるA。
どこか、母に似ていた。
優しかった母に。
だから、今からでも、遅くないだろうか。
この美しい人と、完全に和解し、共に笑える日が迎えられるのだろうか。
「それで、どうするんだ？まだあれが好きで仇討ちでも何でもしたいなら、付き合うけど？」
「いや、もういい。」
完全な戦意喪失だった。
しかしどこか清々しく、心が晴れやかだった。
美月とは、別れようと思っている。
くだらないかもしれないが、話を聞いた限りそんな人間とは付き合っていたくない。
感情が消え失せたと言っても過言ではない。
反省をしているようなら、答えはまた変わっていたのかもしれないが、そうではないと目の前の被害者が断言したしな。
「じゃあせんせー、僕は降参するよ。戦意喪失だ。」
「は？」
手をひらひらとさせて、降参の意を示す。
その行動に驚きが隠せず、動揺した。
何故、そっちが降参するんだ？
「エンデヴァーに政略結婚させられるくらいなら、そうさせないようにすればいいだけだよねぇ。」
なるほど、そういうことか。
しかもクソ親父は、Aが強いということを知っていたのか。
それは先を越されたようで、腹立たしいが。
「わかった、それなら降参を認めよう。」
俺の、勝ちが決まった。
不戦勝だった。
状況が読めていないギャラリーは、困惑とブーイングで会場を満たしたが気にしない。
俺は、試合で勝って、勝負で負けた。
それだけの事だ。
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雨水無月(プロフ) - にゃんぱすさん» ありがとうございます！好きって言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月31日 10時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんぱす - この小説とても好きです (2018年12月30日 23時) (レス) id: ac528e5cb0 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - みみんさん» つまったではなく、なじったですね。コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
みみん - 「詰った」って「詰まった」じゃないんですか？ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8ad0049e30 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメントありがとうございます！神小説だなんて、嬉しいです！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年12月19日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水無月 | 作成日時：2018年8月11日 22時
