報い ページ24
その拳が、ぶつかる前に空中で静止した。
叶「止めろっ！」
叶？何でここにいるの？
「離せっ！私はこいつを殺さなきゃ気が済まない！録音機も、渡さない！」
その言葉の意味がわかったのか、見習いは驚いていた。
が、しかし次の瞬間ほくそ笑んだ。
京「ありがとう、叶。」
え？
何で、叶の名前を知っているの？
「え.....？」
叶「.................。」
京香と、叶。
確かに、一字違い。
少し似てる、叶の中性的な顔。
「なんで.......叶は、私を...騙してたんだ...？」
京「私の弟、助けに来てくれるなんて思わなかったわ。」
何も喋らない叶。
思わず、清光が手から滑り落ちる。
ぽたぽたと、畳に赤いシミがつく。
叶「黙れ...お前を姉と思った事なんてない！」
京「あらあら、でも、覆らない事実だわ。それに、肉親を見殺しにはできないみたいだし？」
クスクスと、可笑しそうに笑う見習い。
「嗚呼、わかった。もういい。私を返してくれ。勝手に其方で解決してくれ。」
投げやりに言葉を放つ自分。
可哀想な奴。
情けないな、自分。
信「あっ！大将！」
「私は大将じゃありませんよ、信濃くん。」
駆け寄って抱き着いてくる彼の頭を撫でる。
彼らに何の罪もない。
叶「違う...待ってくれ、話を聞いてくれ、雨。」
首を横に振る。
もう何にも聞きたくない。
叶「こいつは、厳重処罰という結論に至った。お前の...親父さんが頑張って此奴の罪を立証した。最悪、此奴は死刑だ。」
京「なっ！どういうことよっ！なんで私を助けないのよ叶！」
死刑...？
父様が、罪を立証した？
「あ.......。」
一筋の涙が頬を伝う。
悲しみなのか、安堵なのか。
叶「という事だ。お前は、今から政府直轄の裁判所に来てもらう。」
京「何の冗談よ...離してっ！」
連れて、行かれてる。
あれほどまでに消してやりたいと願った存在が、今は死刑台へと直行している。
足元の清光を拾う。
大事に大事に持って、両手で包み込む。
叶「嗚呼、そうだ。」
「...何？」
叶「最後に一発殴っとけ。」
実の姉になんて事を...。
まあ、いいのか。
叶が見習いを抑えてる。
京「え？止めて？ねぇ、雨？私達、これから仲良くやっていけると思うの。水に流しましょうよ。」
ふぅ...深呼吸をする。
信濃くんは私からそっと離れて、あとのふた振りと見守ってくれてる。
京「ま、待って？」
「待たない。...ｯそんなのクソくらえだクソ野郎！」
振りかぶった拳は、しっかり奴に当たった。
復讐に、終止符を。→←さようならを言うことは、少しだけ死ぬ事だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨水無月(プロフ) - 騎月ナイトさん» やっぱりそうですよね！！おお...！Knightとnightってことですよね！いいなぁ...共通点。私はUNDEAD推しですがKnightsだったらレオくん推しですね！お気に入りありがとうございます！これからも応援おねがいします！ (2017年12月10日 18時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
騎月ナイト(プロフ) - そうですね。 後は自分の名前に「夜」と言う字が入っているので、それを英語にしたのです (2017年12月7日 23時) (レス) id: f12f4fb556 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - エルフ・シャープナーさん» ありがとうございます！！初リクですっごく舞い上がっております！！山伏さんですね、少し遅くなるかもしれませんが勿論絡ませますです！駄作者の感性で良いでしょうか？細かい設定やシュチュがありましたらなんでも言ってください！！ (2017年11月3日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - 前作から今作まで見てきました！すっごく読んでて楽しいです！これからも更新頑張ってください！そして唐突のリクエストなんですが、山伏国広と大いに絡んでほしいな…なんて思ってるんですが…宜しいでしょうか…|´-`)ﾁﾗｯ (2017年11月3日 18時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - いちむあめちゃん。さん» ありがとうございます！続編も頑張ります！ (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨水無月 | 作成日時：2017年8月29日 22時
