ねえ、12 ページ12
「さあね。ただ、不安だった。お前に愛されてるかどうか。あっさり受け入れられたことには腹が立ったけど。」
でもそうじゃない。
きっと優しいお前のことだから、俺がそれで幸せになるならと、そう思って了承したんでしょ?
「だからさ、A。やり直そう。」
「そんな、彼女はどうするの?」
「ちゃんと事情を説明する。そんで別れる。」
「最低。」
「最低でもいい。」
最低でもいいから、俺はお前以外を考えることが出来ないから。
「で、どうなの?」
こんな最低な男、振ってくれたっていい。
ただ、お前の本心が聞きたくて。
「徹のこと、まだ好きだよ。」
「なら、」
「でもそんな簡単に受け入れられない。」
全て終わらせてからなら、いいのかな?
それを聞いてみたら、躊躇いながらも頷いてくれた。
そんなAを抱き締める。
後日、彼女に説明に行った。
そしたら、笑って、
「何となくそんな気はしてたよ。」
そう言った。
「前の彼女さんに未練あるんだろうなって。でも、少しの間だけでも及川くんの彼女でいれて、嬉しかったなあ。」
「絶対に好きじゃなかったって言ったら嘘になる。こんな俺の彼女になってくれて、ありがとう。そして、ごめんね。」
円満なお別れができて、安心した。
その後、彼女とはあとぐされなく友人に戻ることが出来た。
そして今日はAに、改めて返事を聞こうと思って呼び出しをした。
「全部、終わらせたよ。」
「うん。」
「俺とまた、付き合ってくれませんか?」
「.......うん。」
頷くと、にっこりと笑った。
俺が大好きだった、いや、今でも大好きな笑顔だった。
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那生/なお - 及川さんがカッコいい。主もカッコいい。最強ですね (2020年3月20日 19時) (レス) id: f022f42394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨水無月 | 作成日時:2019年7月3日 20時