【d！】ハッピーエンドが１つとは限らない (ページ3)

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ムラサキツユクサ/紫ページ3

僕と一緒に幹部として仕えている人達の中に、白羽Aさんという先輩がいる。

　
　彼女は何でも出来て、しかも幹部で唯一の女性ということもあって幹部の皆は彼女のことを好いている。

僕もその一人。

　
　同じ遠距離部隊ということもあって、彼女と会う機会が多い。

因みに、隊長と副隊の関係。

　そんなAさんには、ひとつ残念だと思うところがある。

　数週間前のこと。

・

　その日は、天気が良かったので城内の森を散歩していた。すると、

____カッ。

　真横の木の幹に、ナイフがピン、と刺さった。

　｢ねぇ、危ないんだけど｣

　声のする方を見ると、Aさんが不機嫌な顔をしながらこちらに向かって歩いてきた。

　僕のところまで来ると幹に刺さったナイフを取り、いった。

　｢こんなのも避けられないなんて、ショッピさん、本当に遠距離部隊隊長なの？｣

　嫌味気に言う彼女。

　そう。Aさんは幹部に対して口が悪いのだ。

他の幹部たちにもこんな風にふるまっている。

こんな人、普通なら嫌われて当然だが、Aさんは違う。