【d！】ハッピーエンドが１つとは限らない (ページ11)

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rbr「ええよ、Aから。何？」

　「ん、えーっと。……また、ロボロくんと星、見たいなって」

　柵に頬杖を付きながら、彼女は言った。

　その言葉に「俺も」と同意した。

rbr「また、一緒に見ような」

　「うん！ ……で、ロボロくんは？」

rbr「え？」

　思わず変な声が出た。

ああ、そうか。俺もAに言おうとしたんやっけ。

……Aに言おうとしたこと。

rbr「……俺も、Aに同じこと言おうとしてたんよ。また一緒に見たいなって。」

　「本当？あはは、同じこと考えてたね！」

　「そやな」と相づちを打ちながら、俺は心のなかでため息をついた。

　言えなかった。Aに、俺が伝えたかったこと。

　「ロボロくん、もう戻る？」

rbr「いや、まだ見てようかな。」

　「そっかぁ。じゃあ私もまだ見ていようかな。」

　そうひとりごち、彼女はまた上を見上げた。

それにつられるように俺も空を見上げた。

　真っ黒な絨毯の中に、白く光るものがポツポツポツ。

____ああ、綺麗やなぁ。

　なんとなく、彼女の方を見やる。

相変わらず、売っとり星を見上げる彼女を見て、思わず苦笑した。

　まぁ、また次回言えばええか。

Aがここをやめなければ、ずっと一緒にいられるんやし。今日は頑張った。

　目上いっぱいに広がった星空を見上げながら、そんなことを思った。

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ハス:離れゆく恋

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