目が見えない 歩けない審神者

No.46 ページ46

A目線


夢の中で話し掛けてくる声






その声の主はとても美しい青年だった






A「貴方は……だれ…？」







そう聞いても答えない







私は無意識にその人に手を伸ばした






.









ここで目覚めてしまった夢


夕餉を食べた後、離れで皆んなと寝た


人数が多いので大和守さんや堀川君は新撰組の刀や自分の兄弟の所へ


宗三さんは小夜君の江雪さんの所に


粟田口の皆んなは短刀ばかりで体が小さいので一緒に寝てもらっている


他の刀達は離れの別の部屋で寝ている




私は両足を引きづりながら廊下に出る


廊下には車椅子が置いている筈だ


寝ている時は場所を取るので廊下に置いていた


触覚だけで車椅子を探す


すると、手に硬いゴムのようなものに触れた


恐らく車椅子の車輪の部分だと思う


私は腕の力だけで車椅子に座った



その後はもう自分の勘で移動した


霊力で見えなくても何となくわかるようになった


何処から曲がり角なのか、とか


ここが何処か なんとなくだけど………




しかし、私一人で来てしまって良かったのだろうか


ふと思ってしまう


皆んなから散々心配掛けないでくれと言われてたのに


また懲りずに一人で来てしまった


しかも霊力で道がわかるとはいえ


廊下から落ちてしまったら自分で起きるのは中々難しい


それに道がわかるだけで現在地はわからない


そう思った時には既に遅し


A「やっちゃった……」


多分本丸の中ではあると思うけど……


来ない方が良かった……




そう思っても仕方がない



私は手で車椅子の車輪を押した









.









.









.









鶴丸「なるほど、夢の中で語りかけたのか。」


燭台切「三日月さんも考えたね。

僕達付喪神は、今は人間の姿をしているけど、これでも神様。

枕元にたって誘き寄せたんだね。」


自分から行こうとせず誘き寄せる


夜を選んだのは人間側についている刀達が油断すると思ったからだ


人間側の刀達には短刀が多い


そのため夜や室内では俺達には不利だ


夜、襲いかかっても負ける


という考えを人間側は持っている


夜は自分達が有利だと油断しているこの時にやるしかなかった


昼では目立つしな


そして今に至る


俺達は三日月に言われ後ろから審神者を見ていた


今からでも簡単に殺せそうな子供


鶴丸「子供を斬るのはいい気分ではないが、致し方あるまい。」


俺はそう呟いて審神者の背中を見ていた

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