目が見えない 歩けない審神者

No.5 ページ5

巴目線
心配してるのかな？

手には暖かい粒がポトポトとつく

涙…？

A「こんのすけ、泣いてるの？ごめんなさい。泣かないで。」

こん「ひっく、わかりました。」

よしよし

私はまたこんのすけを撫でた



すると……









⁇「おや？こんなところに人の子が。」






えっ、誰…？









こん「こ、小烏丸様…」









小烏丸「うむ、其方が次の主か？」

A「は、はい。柊Aと言います。」

小烏丸「ほぉ、礼儀正しい子じゃ。
我が名は小烏丸。我は今の形の刀生まれ出ずる時代の剣。言わば、ここにいる刀剣の父も同然よ。」


A「父…お父さんですか。」

小烏丸「そうだ。して、人の子。其方なぜ目を布で隠しておる？それではなにも見えぬだろう？
それと、其方が乗っているそれもなんだ？」

乗っているものは多分車椅子の事だろう

初めて見るのかな？

A「これは、車椅子と言って、歩く事が出来ない人が移動するときに使うものです。

あと、この布は目を隠すためです。」

小烏丸「なぜ隠すのだ？」

A「私は目が見えないんです。それと、わたしの目は他の人と違うらしいんです。

小さい頃から気味が悪いと言われ続けたので、布で隠しています。」

小烏丸「ふむ、そのような事情があったのか。
大変だったのぉ」

そう言って小烏丸さんは私の頭を撫でた







なんか…嬉しい






こん「小烏丸様、貴方様は三日月様から…」

小烏丸「何も言われてはおらぬ。そもそも、ここに来たのもたまたまだ。」

うん？

そう言えば

A「ここの、刀剣男士は人間不信だと聞いたんですが。」

小烏丸「我は前任が捕まる三日前に顕現したのだ。

だから、あまり人間不信というわけではない。」

なるほど…

最近来たんだね

小烏丸「しかし、ここにいては危ないぞ。其方らが広間に来ないと今、騒いでいるのではないのか？」

A「えっ、どうしよう。」

こん「主様！急いで離れに行きましょう！」

A「う、うん…」

私は車椅子の車輪のところを急いで回す

小烏丸「ふむ、こうやった方が速いな。」

すると、急に車椅子が速くなった

おそらく、小烏丸さんが車椅子を押してくれてるのだろう

A「あ、ありがとうございます！」

小烏丸「其方はもう我の主。それに我の子だ。
こんなとこ容易いことよ。」

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