目が見えない 歩けない審神者

No.39 ページ39

NO目線

高い金属音の音

一期の刀を止めたのは


一期「み、乱……」

乱「主さんに何をしようとしてるの？一兄。」

乱は兄である一期を睨みつけた


Aの方は前田と秋田が守るように刀を構えている


一期「どうして……お前達が。」

五虎退「み、乱兄さん達は、主様のおかげで治ったんです……！

折れた刀を主様は治したんです！」

五虎退はそう声を上げる


前田「そんな主君を殺そうとするなんて……」

秋田「一兄でも許しません！」


一期は困惑していた


当たり前だ 折れたはずの弟達がここにいるのだから

憎き人間を守っているのだから

一期「何故……」

一期はそう言って刀を落とした


乱「何故ってこの人は主だから、守るのは当たり前。

同じ人間でも主さんは前任とは違う。」


前田「一兄もそう感じてませんか？」

前田が問う


一期は俯いたままだ

すると、Aは口を開いた

A「さっきも言った通り私は貴方達を傷つける事は出来ません。
どうやっても私は無理です。」

一期「だが、言霊を使えば……」


乱「言霊でボク達を傷つける？
そんなの無理だよ。主さんには。」


一期は目を見開いた 何故そんな事がわかるのか

A「私も貴方達と同じで暴力を受けた事があるから。」

そう言った

一期はまた大きく目を見開く

そしてまた俯く

A「前田君、秋田君、一兄さんのところまで連れて行って。」

前田「ですが……！」

A「大丈夫。」

そう微笑んだ

そして、一期の前まで来ると

Aは一期の頭を撫でながら霊力を流した

一期は驚いて顔を上げた 一期の体には怪我一つなかった

この時一期は後悔した

何故このような優しい方に刀を向けてしまったのだろう

霊力から感じる暖かく優しい気持ち

一期は本体を収めAと向き合った

一期「"主殿"、数々のご無礼申し訳ありません。」


そう言って頭を下げた

A「いえ、普通はそれが当たり前ですし、ここの方々は人間不信と聞いてたので仕方がないかと。」


そう言って一期を許す

乱「もう！主さんてば優しすぎ！

一兄！主さんに怖い目に合わせないでね！」

A「怖くなかったですよ。

五虎退君がまもってくれたから。」

一期「申し訳ない……

五虎退もすまなかった。怪我はしてないか？」

五虎退「はい！大丈夫です！」

一期「そう言えば主殿。

私の名前は一期一振。一兄という名ではないのです。

乱達は私の弟。弟達から呼ばれる名ですな。」

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