目が見えない 歩けない審神者

No.32 ページ32

大倶利伽羅目線

目を覚ますと正座で座っていて


俺の手を優しく包み込んでいる小さい人間がいた


その人間は目を隠していた


俺が目を覚めたと気づくと


A「！！！大倶利伽羅さん！大丈夫ですか！？」


そう聞いてきた


伽羅「ここは……」


A「貴方の部屋です。」


そうか……


俺を見つけたのか


次の瞬間、目を疑った


前田「良かったです！」


目の前に人間以外にも


折れたはずの短刀の三人がいた


伽羅「お前たちは……！

折れたはずじゃ……」


俺がそう聞くと


秋田「主君に治してもらいました！」


と、笑顔で答えた


俺はもう一度人間を見る


伽羅「そうなのか……

じゃ、あんたが新しい審神者か。」


俺がそう聞くと人間は自己紹介を始めた


そして、


A「もしかして、夢の中で私を呼んだのは貴方ですか？」


そう聞いてきた


伽羅「あぁ。 そうだ。

念を送って、俺を見つけ出すよう仕向けた。」


こうでもしないと俺を見つける事は出来ない


恐らく光忠や国永は俺が折れてると思っているだろう


この人間が来てからこの本丸の空気は変わった


とても澄んでいて気持ちが落ち着く


前任ではあり得なかった事だ


隠されていた俺でもわかる


こいつは、"主"だと認めざるを得ないと




A「あ、あの…？」


何も喋らない俺を見て不安がっているのだろう


伽羅「俺の事は後で話す。

今はここから離れた方がいいだろう。」


俺はそう言って立ち上がる


すると、審神者は俺が今まで座っていたところを


じっと見ている


A「もしかして、大倶利伽羅さん何処かへ行きましたか？」


隣にいる乱に聞いた


こいつ……


何も見えてないのか……？


乱「うん、さっきね。

でもまだこの部屋にいるから大丈夫。」


そう言って乱は主を持ち上げた


そして変な椅子に座らせた


俺がよくわからないでいると


秋田が俺の服を引っ張りしゃがむよう手を振った


秋田「主君は目が見えなくて歩くことも出来ないんです。

目は他の人間と違う色なので隠すために布で覆っています。

それと、あの椅子は車椅子と言って、歩けない人間が使うものらしいです。

主君は車椅子を使って移動しているんです。」






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