目が見えない 歩けない審神者

No.25 ページ25

A目線

A「えっと、話ってなんですか？」


江雪「はい、話というのは長谷部という刀の事です。」


長谷部……？


長谷部さんって確か、宗三さんを折った刀だ


宗三「長谷部がどうかしたんですか？」


小夜「長谷部さん、宗三兄様を折ってから目に光が無くなったんだ。」


江雪「長谷部は宗三を折った後、私やお小夜が行くはずだった出陣、演練、遠征に全て行き、毎回怪我をして帰って来るのです。」


小夜「今は重傷で部屋で寝ているよ。」


江雪「おそらく、私達のためにしているのでしょう。

私達の代わりに出陣などを行っているのは、罪滅ぼしだと思います。」


宗三「あの、馬鹿……

何をしているのです。」


宗三さんの声は怒りに震えていた


小夜「だから、長谷部さんを治して欲しいんだ。

僕達は長谷部さんを恨んでいないし、宗三兄様を折るよう言ったのは前任だよね？」


宗三「えぇ。 長谷部は言霊によって僕を折りました。」



私は二人の話を聞き……



A「わかりました。

長谷部さんが寝ている部屋まで案内してください。」


江雪「わかりました。」


あっ、その前に


A「江雪さん、小夜君、握手してください。」


私は手を伸ばす


すると、その手をしっかり握ってくれた


私はそのまま霊力を流す


江雪「これは……！」


小夜「傷が治った。」


A「痛いところはありませんか？」


江雪「はい、ありがとうございます。」


うん、良かった


宗三「主、江雪兄様とお小夜を手入れしてくださりありがとうございます。」


A「これぐらい当然です。」


小夜「ありがとう、"主"。

行こう。」


小夜君が私の手を引っ張る


宗三「僕もついて行きます。

小烏丸達はここにいてください。」


小烏丸「うむ、わかった。

気をつけるのだぞ。」


はい

私はそう返事し車椅子を動かす


すると、


宗三「僕が押しますよ。」


そう言って宗三さんが車椅子を押してくれた


江雪「目が見えないのは大変ですね。」


小夜「歩くのも……

何かあったら僕達が守るから大丈夫だよ。」


A「ありがとうございます。」









あぁ、なんてこの人達は






こんなに優しくて






温かいのだろう








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