ヒロイン！１６２ まふまふside ページ23
ヴァンプの手を引いて、僕はどこへいくともなく電子戦争省の庁舎を出た。
あまり夜に外出はしないから、こんな時どこへ行ったらいいか分からない。
でもなんとなく、国立自然管理局の方へと足を向けた。
国立自然管理局というのは、大きな公園みたいなもの。空想管理局の公園版みたいなもので、とってもたくさんの種類の植物が生えている。
夜の自然管理局は一般の人は入れないんだけど、僕らは特別部隊のバッチがあるから入れるんだよね。表向きの職と特別部隊両方やってると有給なんかも取れないから、自然管理局とか空想管理局みたいな公共施設とか設備はバッチさえあれば無料である程度自由に使える。まぁ、まともな有給あげられないからこれで満足してねってことなんだろうけど。
「…初めて自然管理局に来たはずなのに。この景色、知ってる。」
とりあえず隅っこのベンチに腰掛けると、ヴァンプがボソッと漏らした。
ま「そりゃ、昼間は普通の公園だからね。小さい頃にでも遊びに来たとか？」
今の日本は遊びに行ける場所は多かれど、公園は少ないから。彼女が小さい頃にここに遊びに来たといってもなんら不思議ではなかった。
ざあっと風が吹き、頬を撫でる。
「いえ、私が知ってるといったのは、まさにこの、夜の景色のことです。」
ヴァンプが、こちらを向く。
夜の景色を知っている？…そんなはずない。ここに限らず公園などの施設はお祭りでもない限り夜間は全部…特別部隊とか国家公務員上層階級とかのバッチがないと入れないんだから。
彼女がもし、自然管理局ではない他の公園と間違えていたとしても、それはあり得ない。
ま「…もしかしたら、ヴァンプの親戚関係にバッチを持ってる人がいるのかもしれない。それこそ、ヴァンプの両親とか。」
気晴らしのために連れて来たのに、心に大きなしこりを見つけてしまったような気分だ。
そういえば、僕が初めてヴァンプの力を調べた時のあの書物…。よくよく考えたら、少し変だ。あの程度の本に閲覧規制がかかっていたのも、あの本が存在すること自体も。だってあれは、ヴァンプがここに来る前から存在するんだから。
あの本が書かれたのは一体…そう思って考え込んでいると、急に僕とヴァンプの端末から大きな音がした。
「…出動命令、ですね。」
まだ怪我してるヴァンプにまで…？
変だなと思いつつ端末を見ると、そらるさんから『お前らどこにいるか知らないけど電子戦争省へ戻るか逃げろ』とメッセージが来ていた。
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瀬名 - 手の込んだストーリーで楽しませて貰いました！更新楽しみにしています (2022年1月17日 20時) (
レス) @page33 id: 98687f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 初コメです。ものすごく面白かったです！ 更新楽しみにしてます！！ (2020年6月8日 20時) (レス) id: 72e374ec6b (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 更新再開！？今年いちばんの嬉しい出来事です！！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
とろんぼーん(プロフ) - うわああぁぁ更新再開嬉しすぎます…！コメ欄の下の方にいるりょうかの別垢です…笑 更新楽しみにしてます…！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: a6d44952a8 (このIDを非表示/違反報告)
癒亜(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！この作品大好きなので嬉しいです！これからも無理せず、更新頑張ってください、！ (2020年2月3日 8時) (レス) id: 28593f1c0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神咲のあ | 作成日時：2018年4月22日 20時
