ヒロイン！１６０ ？side ページ21
にこやかに笑うコンシェルジュを一瞥して、私は外に出た。
ここは都会だから、夜になっても人は多いしお店も明るい。…歴史で、２０００年代からここら辺は基本こんなもんだと教わった気がする。
そんな喧騒から逃れるように路地に進むと、やがて真っ暗な行き止まりが見えた。
？「所詮ヒーローは人間。でも人間が化け物になることだってあるのにね。」
その行き止まりの方へ歩き続けると、行き止まりはすうっと私を飲み込んでいった。
行き止まりの向こうは研究施設。
哀れな女がただ1人、拘束されているだけの場所。逃げることができないように閉じ込めている、いわば牢屋。
この牢屋は、電子空間にある。…つまり、奇しくもヒーローたちが電子戦争をしているのと同じような場所にある。
？「女王、体調はどう？」
女の名前を最後に呼んだのは、いつだっただろうか。女と…その子供を引き離した時だったっけ。それとも、女から大切な私の『国民』を守った時だったっけ。
女王はただぼうっと遠くを見つめていた。その目はふんわりと淡い光を宿していて、見れば見る程吸い込まれそうだった。
？「いい加減子供にちょっかいかけるのもやめたら？」
女王はきっと、私の声なんて聞いちゃいない。
ああ、かわいそうに。女王も、女王の素質を受け継いでしまった彼女の愛し子も。
歪められた運命を見届け、最低限私の『国民』を女王から守ることしか私にはできないけれど。
？「…あなたを歪めたのは私の父親。あなたが歪めたのはその愛し子。その愛し子が歪めたのは、唯一の友人。その友人は私の大切な『国民』。因果な話。」
金色の髪の毛をくるりと指に巻きつける。
…ああせめて、女王の愛し子だけでも救い出してあげたいのだけど。
あの子は自分の力を知る必要があるから。もうすこし、あの戦場にいるしかない。
？「女王。あなたの名前を呼んであげることはできないし、愛し子にあわせてあげることも今の状態じゃできない。だってあなたは私の『国民』を守った愛し子を手にかけようとしたんだから。」
私の名前は黒。
それ以上でも、それ以下でもない。
Assassineの現役幹部であり、女王を管理する者。
黒「特別部隊と…Assassineの本当の敵は…。」
…全ての傍観者。
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瀬名 - 手の込んだストーリーで楽しませて貰いました！更新楽しみにしています (2022年1月17日 20時) (
レス) @page33 id: 98687f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 初コメです。ものすごく面白かったです！ 更新楽しみにしてます！！ (2020年6月8日 20時) (レス) id: 72e374ec6b (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 更新再開！？今年いちばんの嬉しい出来事です！！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
とろんぼーん(プロフ) - うわああぁぁ更新再開嬉しすぎます…！コメ欄の下の方にいるりょうかの別垢です…笑 更新楽しみにしてます…！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: a6d44952a8 (このIDを非表示/違反報告)
癒亜(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！この作品大好きなので嬉しいです！これからも無理せず、更新頑張ってください、！ (2020年2月3日 8時) (レス) id: 28593f1c0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神咲のあ | 作成日時：2018年4月22日 20時
