ヒーローがログインしました！season2【歌い手】

ヒロイン！５８ そらるside ページ12

『ゲームオーバー』

これ以外に今の俺たちを表せる言葉は見当たらない。

歯が、立たなかった。

威勢良く飛び出していった姫も、すぐに身動きが取れない状態になった。

そのあと、うらたくんに速攻逃げるように連絡してから飛び出した俺も、坂田やるすの例に違わずボロボロにされた。

なにしてんだろうなあ、ほんと。

バカみたいだ。

どくん、どくん、どくん、と、打たれたお腹から血が脈打つように流れていく。

これ、こいつだけで日本軍皆殺しできるんじゃないか？

あー、最悪だわ。

E「…ヴァンプちゃん、今日来てますよね？…ってああ、そうだ。あの子今脚折れてて動き回れないんでしたっけ。あそこにいるビッチみたいな女のせいで。」

Eveは動けない俺らを幼虫でも見るような目で見下しながら銃を構えた。

E「ってことはまずあの子から処刑かな。ヴァンプちゃんキズモノにした罪は重いよ〜？」

ニヤニヤと笑いながら銃を姫に突きつけるEve。

そ「…姫、逃げろ！！！」

姫は腰が抜けてるみたいで動かない。

見渡すと、坂田もるすも険しい顔をして姫から顔を背けていた。

いくら嫌いな相手だったとは言え、目の前で仲間が殺されるのを見るのはクルものがある。

くそ、動けよ、うごけ、俺の足、なんで動かねえんだよ、くっそ…

もう、無理だと思った。

Eveが引き金に指をかけるのがスローモーションで見えた。

諦めて姫から目を背け、ぎゅっとつむる。

？「…私、遺書書きわすれちゃったので、その人たち返してもらっていいですか？」

声がした方には誰もいない。

くるり、見渡すと

「ねぇ、敵軍さん。」

逃したはずのヴァンプが、Eveの首に鎌を突きつけていた。

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