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珍しくせっせか働いてる伊野尾くんをよそに、面白そうな本を漁ってる私。
「ねぇ、伊野尾くん、白雪姫の本があるよ!」
図書室の隅っこの方に落ちていた本。
古びているのか、色落ちしているようで絵もよく見えない。
「白雪姫って素敵な童話だよね」
慧「そう?王子様のキスで目覚めるなんて贅沢だよな」
「……女の子はそういうのに憧れるの!」
慧「俺は普通でいいからいっぱいキスしたいなぁ」
……嫌だ。
何故だかそう思った。
伊野尾くんには、そんなことしたいって思える女の子がいるって事でしょ
「…変態」
"嫉妬"
なんで、伊野尾くんの想像してる女の子に嫉妬しなくちゃならないの。
素直な気持ちが言えない私は、言われて嬉しくないような言葉を言ってしまう。
先輩のくせに、何やってるんだ。
ちゃんとしなきゃ!
慧「ほんと、A先輩って鈍いよな…」
「意味分からない!そろそろ休憩終わりー」
時計をふと見ると、あとちょっとで5時半。
そんな時間が経ったこと気づかなかったな…
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作者名:すん | 作成日時:2016年4月29日 23時