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大貴「まあ、結局は俺のAだからな」
大貴もばかだな。
伊野尾くんに嫌味を言っているのか、勝ち誇った顔をして言う。
ついでに、玉子焼きがすんなりと私の弁当から盗られる。
「ちょっと!私の玉子焼き…」
慧「違う!俺のだ!Aは俺のだ!」
は、はあ?
思わずきょとん、とする。
初めて伊野尾くんにAって呼ばれた
手を一生懸命に動かし、大貴に負けないくらい私を語る伊野尾くん
「ば、ばかぁっ!」
そんなことされてときめかない女子なんて存在しない。
たぶん私の顔は真っ赤。
後輩の伊野尾くんに
振り回されてる気分。
私も私でどうかしてるな、
箸を持ってる手がぷるぷる震える。
普通でなんて、いられないよ。
慧「A先輩…?どうかしました?」
ずっと俯いている私を心配したのか、
顔を覗き込もうとしてくる伊野尾くん。
さっきはAって呼んでくれたのに、
呼び方が戻ったことに、少し寂しさを覚えた。
「な、なんでもないよ」
はぁ…
完全に伊野尾くんにはまってしまったのかも。
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作者名:すん | 作成日時:2016年4月29日 23時