甘酸っぱい後輩くん。 (ページ5)

今日:18 hit、昨日:15 hit、合計:49,693 hit

5 ページ5

だっる…

机に突っ伏し、目を瞑る。

お昼が終わったら、次の授業は体育。

あ、そのまえにお昼か。

慧「A先輩を呼んでください！」

ドア近辺に響いている声。

呼ばれなくても分かるよ……あの特徴のある声は伊野尾くん

大貴「行ってやるか」

まるで、起きろーって催促するように、私の肩をトントンと叩く。

春特有の眠気を我慢し、手にはお弁当を持ち起き上がる。

「お待たせ、ごめんよ」

慧「先輩！席替え！」

必死になって、大きく開いてるその目。

手をぶんぶんするジェスチャーも一生懸命。

伊野尾くんの言いたいことは、分かる。

私の席が気になるんでしょ。

「伊野尾くんは…真っ直ぐで良いね～」

慧「…っ、あ、ありがと…ございます！」

適当に言った言葉なのに、伊野尾くんの顔はすぐ真っ赤に染まった

その反応が可愛くて、私も赤く染まる。

伊野尾くんは私の事好きなんじゃないの、とか自惚れてしまった。

だめだめ…こんな贅沢なこと考えたら罰が当たる。

慧「大ちゃん！席替え！」

私が答えなかったのを良いことに、今度は大貴に乗り換えたみたい。

"大ちゃん"…って呼び方に反応してしまった。