甘酸っぱい後輩くん。 (ページ4)

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HRは思っていた通り、席替えの時間。

年に何回かしかない席替えは貴重で、教室はざわざわしている。

学級委員さんからくじを引かせてもらい、確認する。

お、お、お～

くじごときに怯えて少し構えてしまった。

私って強運の持ち主なのではないか。
少し顔がにやつく。

当たった席は窓側の一番後ろ。

最高じゃん……！

大貴「惜しい！」

一方、クラスの中心で叫んだ大貴。

その声は本当に悔しがってる様。
何考えてるんだか、とｸｽｯと笑う。

大貴の席事情なんか、ほっとく。

自分の新しい席に座ると、穏やかな気持ちになった。

大貴「え？A、ここなの？」

「は？大貴こそ……また隣？」

大貴「おい、変われ」

"ガタン"と大きな音をたて、ぶっきらぼうに隣に座った大貴。

同時に、"惜しい！"と叫んでた意味を理解する。

最高な席の隣だもん。そりゃ、惜しいわ。

「無理です。授業に集中しましょうね。」

大貴「ははっ、邪魔する！」

うわぁ、本当に邪魔しそう。

こんなくだらないやりとりも、私たちは楽しんでいて

これからの私たちの関係も問題ないな、と思った。