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「伊野尾くん、いますか?」
昼休み、伊野尾くんのクラスに来た。
……来てしまった。
少し緊張して、胸がどきどきしている。
私の側にはいつも大貴がいてくれて、楽しいけれど
伊野尾くんがいないとどこかつまらなくて
勇気を振り絞って来てみたは良いんだけど……
「ずっとサボってた図書委員の仕事を最近真面目にやり初めたらしくて!
たぶん、図書室にいますよ」
「…ありがとう!」
ドア付近にいた、伊野尾くんのクラスメートにお礼を言って立ち去る。
伊野尾くん、図書委員だったんだ。
もしかして、今までの休み時間ずっと仕事してなかったの…?
"呆れ"とかはないんだけど
どこか胸の奥に突っ掛かるものがある。
今日の所は諦めるか……
.
大貴「で、どうだった?」
とりあえず、伊野尾くんに会いに行ってくるとだけ言った私。
何気に大貴も心配してくれてるから。
「委員会の仕事があるみたいで、会えなかったよ」
大貴「そっか。 まあ、気にすんな!」
学年が違うと、教室まで行くのも大変だし、全然伊野尾くんのこと知れない
気付かなかったな
伊野尾くんは、近い存在だと思ってたけど距離は遠かったみたい。
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作者名:すん | 作成日時:2016年4月29日 23時