甘酸っぱい後輩くん。 (ページ25)

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最後の授業は体育で、陽射しが照り付ける中1000メートルを走りきった。

さほど、運動神経が良くない私はいつも真ん中らへんに走り終わる。

男子の方は、サッカーをやっていたみたいで

チラッと見たら、大貴が楽しそうにボールを蹴っている姿が見えた。

大貴の笑顔は誰よりも輝いている

ずっと笑顔でいられるなんて、すごいな……

"ばーか"

無意識にずっと目で追っていたみたいで、気付いたら大貴もこっちを見てた。

ばーかって……大貴も同じくらいの学力でしょ！

"ばーか！"

遠く離れてるけど二人で笑い合った。

.

大貴「A、俺のこと見つめすぎじゃね？」

「は？何かの間違いでしょ。
自意識過剰ー！」

体育が終わってすぐ、大貴がこちらに走ってきた。

本当、大貴には呆れちゃう。

大貴「今日暑いしさ、伊野ちゃん誘ってアイス食べに行かない？」

急な"伊野ちゃん"というワードに体が反応してしまった。

「ごめん、今日は……塾があるから！」

今の状態じゃ、会えない
私の心がそう訴える。