甘酸っぱい後輩くん。 (ページ24)

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教科書を乱暴にしまう。

今日は、まだ1回も伊野尾くんの顔を見ていない。

大貴「今日、伊野ちゃん学校来てるのかな？」

「知らないよ。まだ会ってないし！

ただの偶然かもしれないけど、あんなことがあったばかりだしなぁ……」

大貴「何の話？」

こんなにも憂鬱なのは、なんでだろう。

大貴「弁当食おうぜ」

「うん」

今日は教室でのお昼。

隣の席同士なんだから、移動する必要もない。

大貴「卵焼きもらっていい？これ、やるからさ」

え…？

いつもなら、勝手に盗ってしまう大貴が！

様子を伺うと、いつもどおりの眩しい笑顔。

「大貴、どうしたの！」

大貴「そんな大袈裟な！
ほら、A元気無いみたいだし？」

嘘…

なんか、態度に出てたのかな？

でも、気にかけてくれたんだ。

「あ、ありがと」

急な大貴の優しさに、まだ驚きは残ってるけど、なんだか嬉しい。

大貴が親友…で良かった。