甘酸っぱい後輩くん。 (ページ21)

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大貴「じゃあ、今日はこれで解散ってことで！」

ペンの音が走る部屋の中、急に大貴の声が響いた。

時計に目をやると、17時。

三時間位は勉強できたか……？

いいや、そんなに勉強したはずがない。

必死に問題を解こうとするのに、頭の中には伊野尾くんのさっきの行動がぐるぐると回って邪魔をする。

こんなに考え込んじゃうんだったら、あの時逃げれば良かったのに

そう思うけど、、

慧「さっきの事は忘れてくださいっ」

そっと、耳元で囁かれた声にドキン、とする。

もしかしたら私は、伊野尾くんだから……逃げなかったのかもしれない。

忘れられるわけないよ、そんな簡単に。

目を瞑るだけで、流れてしまうあの光景。

近くで見る伊野尾くんの顔は本当に綺麗だったなぁ、なんて

大貴「おーい、A？勉強のしすぎで頭どうかしちゃったか」

「……うるさい！」

本当にどうかしちゃったかも。
落ち着け、私…