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顔を歪ませて悲しそうにする伊野尾くん。
慧「やだよっ…」
可愛い。
私を後ろからぎゅってしてか細い声で呟く。
伊野尾くんは背が高いから、それがちょうど私の耳元に来て、心臓がうるさくなる。
慧「離れるなんてやだよ」
「はい、はい。またお昼休み来れば良いでしょ?じゃあね」
これは、毎朝恒例。
学校に着いたら、クラスは違うし、学年すらも違うし
だから、下駄箱でお別れになってしまう。
大貴「寂しい?」
「別に」
大貴「ま、俺がいるしな」
そう言い、私をふわっと抱き寄せ頭をポンポンした大貴。
触れられた所が熱くなる。
好き、な訳じゃないけどドキドキする。
「ほら、行くよ」
顔が真っ赤になり、照れているのを見透かされないように先を歩く。
もう、置いて行ってやる。
やっぱり寂しくて、後ろを振り向くと、少し俯き頬をほんのりピンクに染めていた。
また、胸がトクンと鳴る。
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作者名:すん | 作成日時:2016年4月29日 23時