誠心誠意 ページ9
『く、国木田、今ちょっといーい？』
がちゃりと扉を開け、貌だけを覗き込んだ。定時過ぎの探偵社には、遅くまで資料をまとめていた国木田しか残っていない。
不安になりながらも、国木田の返事を待つ。
国「……ああ」
『！あ、アリガトウ…』
やっと返事をしてくれた嬉しさと、如何謝るかという緊張でカタコトになってしまった。
静かに扉を閉め、背を向けている国木田に再度声をかける。
『あ、あのさ、此の前の依頼の件、なんだけど』
すると、「聞いてやる」とでもいうように国木田の手が止まった。その仕草に安心して、不束はほっと息をついた。
『ごめんなさい。私が考えなしに突っ込んだから、敦と谷崎を危険な目に合わせた』
よし！間違えず云えた！と頭の中でガッツポーズを取ると、頭を下げた。こつりと音が鳴り、国木田がこちらを向いたのが判った。
国「それだけか？」
『え？それだけって…』
頭を上げ、眼鏡越しに国木田と目が合う。合っている、はずだ。しかし、照明に照らされている
『だ、だから無策で乗り込んだ私が悪かっ』
国「それだけならお前に用はない」
『は_______』
片付けを終えた国木田が荷物を持ち、不束の横を通り過ぎる。
また口を聞いてもらえないのだろうか、其れとも、一生_______。
そんな最悪な事、許せるはずがなかった。
『ま、待って！わたし』
がしりと国木田の腕を掴み、今にも消えそうな声で呟いた。
『ごめんなさい。国木田に無視されるのは、こたえる…』
国「……だ」
『へ？ごめん、聞こえな』
国「危ないのはお前も同じだ！」
『へっ_______あ』
たしか谷崎が国木田が私の事心配してる的な事云ってた気が…と、頭の中で自己完結する。其れと同時に、しまった、と。
(そうだった国木田は私が危ない目に遭った事に腹を立ててるんだっけ、そうとは思えないけど…)
国「大体、お前は昔から無茶しすぎる！何度自分を危険な目に合わせてるか判ってるのか？！」
『う、うん。其れも含めて本当に、悪かったと思ってる、から』
いつもとは違う塩らしい態度に国木田も絆されたのか、「はぁ」とクソデカため息を吐き、ぼそっと呟いた。
国「……次はない」
『！うん、ありがとう』
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夜(プロフ) - ゆいたろー！さん» ご愛読ありがとうございますー！これからの展開が気になりますね！ (2月21日 0時) (
レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー！(プロフ) - もしかして、国木田くん元々夢主ちゃんのお姉さんがすき、、、？！三角関係？！ (2月20日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 冬蜜柑美味いさん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (1月13日 12時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - この作品、超好きです！なんかこう…ドスッと刺さりました！！！頑張って下さい！ (1月12日 23時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 黒蜜おもちさん» ほんとですか！すごくモチベになります！ありがとうございますー！ (11月12日 19時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2023年11月11日 12時
