自称婚約者【文スト】【国木田独歩】

意外と優しい？ ページ16

乱「閉じ込めるって云い方の問題でしょ？」

『ウッだって怖がられたら嫌じゃん！乱歩くんと社長しか知らないから黙っといてよ』

乱「まぁ、あまり興味もないしね」

『えええじゃあなんで聞いたの…』

理不尽だと思いつつも、心の隅で乱歩に感謝していた。バレたら色々面倒なのだと、不束は胸を撫で下ろす。
彼女の事を知っているものは少ない。一人と云っていい程に。

しかし、その"一人"にも知らない事はわんさかあるのだ。

勿論、世界一の名探偵にもその謎は解らない。否、暴こうとしない。面倒だと判りきっているから。

『あはは、乱歩君て結構優しいよねェ。

初対面の時、タメだと思って君付けしても許してくれたし』

乱「一人くらいいてもいいかなと思っただけだよ」

『あん時はまじ焦ったなぁ。私より四つも歳上だなんて』

乱「其れどーいう意味さ」

『なんでもございません』







_______名探偵は可哀な禽鳥の旧時を敢えて知ろうとしない。彼女のこれまでの人生で何が起こったのか、彼女が何をしようとしているのか、興味がないと云えば嘘になる。しかし、この謎を解くわけにはいかない。

乱「…ほんと、閉じ込めてるのは自分自身だろ」

居眠りをする彼女を横目に、乱歩は小さく呟いたのであった。










補足
社長と乱歩以外は主人公の異能力は「絶対に的を外さない異能力」だと勘違いしてます。まじで外しませんから。与謝野さんは治療の時とかに知る事になりそうですね。国木田くんは幼なじみなのになんで知らないんだよとなりそうですが、まあそこは気長に待っていただければと思います。

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