あんまりなんだよ ページ14
『わたしの異能力ぅ？』
今日は非番の不束。やる事がなくてもやる事があっても探偵社に入り浸っているらしい。同じく非番の中島敦は、興味津々だとでもいうように目を輝かせた。
敦「はい！思えば不束さんの異能は見たことも聞いたこともないなと！」
『あーたしかにねぇ…敦はどんなのだと思う？』
そう云いながら口に運んだのは、喉に刺激が来る炭酸水だ。
不束は喉が痛くなるのが気持ちが良いと、毎回これを飲んでいる。
その理由に社員が同意することはなかったが。
敦「え、エート…動物とはなせるトカ…？」
『ふっ、あっはは！可愛い異能力だねぇ』
敦「不束さんが聞いたじゃないですか…」
莫迦にされたのが気に食わないのか、ムスッと口を尖らせる。
不束は其れをごめんごめんと詫びながらコップを戻した。
『んー……見た事あるでしょ。私の銃捌き』
敦「？はい。あの犯人の車の……あ、もしかして、不束さんの異能力って_______」
『せいかーい！百発百中の
親指と人差し指を出し、敦に向ける。
『百メートル先まで外さないね』
敦「す、凄い！異能な名前はなんというんですか！？」
『ゑ？あ、あー……そ、それはねぇ…』
敦(あれ？目が泳いでる)
何故か不束は困ったように笑い、『えぇーと』と考え込むように遠くを見つめた。敦が口を開こうとした時、がちゃりと扉が開く。
乱「敦、太宰が死にそうだから扶けに行ってきて」
敦「え！今ですか？！」
乱「僕の推理では後二分で太宰は溺れ死ぬ。間に合うのはお前しかいない」
敦「其れ先に云ってください！お二人とも失礼します！！」
バタバタと敦が出ていくと、乱歩はソファに深く座った。そして不束を指差し、ニヤリと笑う。
乱「御礼は駅前の麩菓子だ」
『ア、ありがとう乱歩くん…』
不束は安心したように深呼吸する。どうやら先程の異能力は嘘のようだ。
『危なかったよー』と彼女がへらりと笑うと、乱歩は呆れたように返した。
乱「…隠す必要あるの？」
不束は少し困ったように笑うと、『あるんだよ』と同じように座った。
乱「なんで？」
『あはは、意地悪だねェ。乱歩くんなら判るくせに』
乱「勿論判るさ。でも本人に聞く方が面白いでしょ？」
カチカチと針が進む中、二人は目を合わせ見つめあった。
『…あんまり好きじゃないんだよね。"人を閉じ込める異能"』
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夜(プロフ) - ゆいたろー！さん» ご愛読ありがとうございますー！これからの展開が気になりますね！ (2月21日 0時) (
レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー！(プロフ) - もしかして、国木田くん元々夢主ちゃんのお姉さんがすき、、、？！三角関係？！ (2月20日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 冬蜜柑美味いさん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (1月13日 12時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - この作品、超好きです！なんかこう…ドスッと刺さりました！！！頑張って下さい！ (1月12日 23時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 黒蜜おもちさん» ほんとですか！すごくモチベになります！ありがとうございますー！ (11月12日 19時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2023年11月11日 12時
