吐露 ページ8
『私ね、アンタの事結構気に入ってるのよ?』
敦「え、えっと…」
普段褒められ慣れていない敦は照れているのか、頰が赤く染まる。
間宮の性質上、非常にわかりにくいがこれは"酔っている"のである。どうやら、酔い始めたら本音をポロポロ吐き出してしまうタイプのようだ。
敦が顔を赤らめていく中、其れを見ていた谷崎が助け舟を出した。
谷「敦くん大丈夫かい?ほら間宮さんも離れてください。困ってますよ」
『谷崎、アンタもちょっと面貸しなさいよ』
敦から剥がされた仕返しか間宮は谷崎の胸ぐらを掴み、顔を近づけさせる。いきなりの事だったため、谷崎も床に膝をついてしまった。
谷「おわッ!あ、危ないですよ!」
間宮は谷崎の耳に口を寄せ、吐息混じりに呟く。
『アンタさぁ…ナオミと何処まで行ったの?』
谷「…ッひ」
谷崎の目は潤んでいき、顔を真っ赤にしたと思えば
谷「…ッあ、あれはナオミが無理やりぃー!!!」
と叫びながら部屋を出て行った。
其れを見たナオミも
ナ「ふふ、ナオミも此処で失礼いたしますわ」
と笑顔で部屋を出で行った。敦に続き、谷崎までも
被害者になったのである。
『なんなの急に。失礼な奴』
間宮はふらつく足で立ち上がると、『お酒何処』と歩き出した。其れを全て見ていた福沢はため息をつき、国木田に指示する。
福「……国木田、子供達を会議室に連れて行け。お前も其処で待機だ」
国「は、はい!分かりました」
敦(間宮さん…酔っ払ったら本音製造機になるのか)
そして賢治、鏡花、敦(被害者)、国木田は会議室に移り、残ったのは乱歩と福沢だけであった。
与謝野は医務室のベットへ運ばれた。
恐らく、これ以上間宮の醜態を周りに見せないためだろう
福沢は間宮に近づくと、「これ以上は飲むな」と一言。
何時もの間宮なら二つ返事で云う事を聞いているだろうが、なにせ今は酔っ払っているのである。
『……嫌、社長なんて嫌いよ』
福「きらッ…?!」
ピシッと石にでもなったように固まる福沢。如何やら、相当、否かなりショックを受けているようだ。
乱「わぁお」
名探偵も吃驚している。
福「…………何故だ」
長い沈黙の後、精一杯出した声は少し小さかった。
しかし、間宮は答える。
『…乱歩ばかり褒める』
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時