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女医との歓談 ページ32

乱歩と間宮による中原中也の足止めは見事成功。
二人が現実世界に戻った頃には福沢と森の異能は既に解かれていた。如何やら探偵社とポートマフィアが協力した事によりヨコハマ、もとい双方の秩序が保たれた。

そして今は豪華客船で武装探偵社による宴会が行われている。

『服、貸してくれてありがとう』

与「お安い御用さ。良く似合ってるよ」

皆がドレスコートに身を包み歓談や食事を楽しんでいる中、其の用心棒と女医は仲睦まじく言葉を交わす。

間宮のドレスは黒がベースになっており、所々に紫が入っている。と云っても、全て与謝野から拝借した物だが。

与「しかし驚いたよ。いきなり電話が来たかと思えば「パーティに出られるような服が無い、社長に変に思われたく無いから貸してほしい」なんてねぇ」

『だ、だって動きやすい服装しか持ってなくて…とにかく!今度買いに行くから着いてきてもらうわよ』

与「ふふ、はいはい」

二人はグラスを交わすと、其れを口に運んだ。

周りに聞き耳を立てれば、今回の騒動に納得がいってる者や、ポートマフィア恨み言を放っている者もいる。兎にも角にも、誰も欠けず全員が無事だったのだ。

其れだけでも、間宮は酷く安心した。

そして与謝野は抱えていた疑問をぶつける。

与「小説の中は如何だったんだい?」

『…私が倒して乱歩さんが弁明するって形かしら』

死んだ魚のような目をする間宮を見て、与謝野は「嗚呼…」と納得する。
彼女とも乱歩とも長い付き合いの為、大体の想像はついてしまうのだろう。

労いの言葉を探していると間宮がツン、と与謝野のおでこを押した。

『同情はいらないわよ。其れに少し…良い"モノ"見れたし』

そう話す彼女は、与謝野がよく知っている貌。上がった口角を隠すように、控えめに口元を抑えている。

其の表情は、少し愉しそうだ。

与(此れは…乱歩さん絡みだねぇ)

我に返ったのか、彼女は咳払いをすると残りのジュースを全て飲み干した。

与謝野は向こうで洋菓子を頬張っている乱歩を横目に、またもや疑問をぶつける。

与「側に居なくていいのかい?」

謗れば影さす→←作者より



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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月27日 15時

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