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嘘寝 ページ26

乱歩が到着するまでに敵を片付けようとした間宮。しかし幸か不幸か乱歩が此処までもう来てしまった。
敵は五人、此処で間宮が縄を解いて戦闘に入れば乱歩を人質にとられかねない。

(何なのよコイツ!いっつも莫迦みたいなタイミングで…ッ!)

このまま寝たふりを続けるか、今すぐ縄を解いて乱歩の護衛に当たるか。乱歩への理不尽な怒りを抑え込む中、用心棒の答えは決まっていた。

(イチかバチかでも守るべきでしょッ!もう椅子事破壊し_)

乱「君達がAをなぜ此処に連れてきたか、大体検討はついてる。なんせ僕は名探偵だからな!わーはっは!」

腰に手を当て空を見上げながら高笑いする乱歩。間宮が行動しようとした瞬間此れである。

(だからタイミング考えろっての!!)

女「何だいコイツは。本当にこんな奴が他の仲間を捕まえたって?」

乱「あー!僕の推理を莫迦にしたな!?」

(張り合ってんじゃないわよッ!)

目を瞑りながらでも判る。意地になった乱歩は眼鏡を掛け直し、今から長々と推理を披露するつもりなのだろう。しかし、そんな事殺人鬼が許してくれるだろうか。

男「なぁ、もう殺っちまおうぜ。俺らの目的忘れたのか?」

男4「嗚呼、だが其の前に…」

一人の男が間宮は近づいたかと思うと、小さなナイフを取り出した。

乱「!ッ…何する気だ」

男4「安心しろ、毒は塗ってねぇよ。ただ、そうだなぁ_____俺は綺麗な女に傷をつけるのが大好きなんだよ」

そう云うと、男は間宮の顎を強引に掴み強制的に上を向かせた。もちろん狸寝入りの為、目は瞑っている。

『…ッ!』

ピッとナイフが頰を掠めた。横に斬られた傷口からは、微かに血が垂れ始める。

乱「……」

男4「仕上げだ」

『ッ?!』

バキンッ

目を逸らしたくなるような音と光景。男尊女卑が大嫌いな与謝野がこの場にいたら、この男をバラバラにしていた所だろう。

殴られた間宮の頰は赤く腫れ、口からは血が垂れている。

乱「ッ…………」

(社長と乱取りした時の方が痛い)

そんな呑気なことを考えていると、殺人鬼の女が声を上げた。

女「此の若い女も大変だねぇ。こんな探偵のお守りなんてしてるからこんな目に遭うんだよ」

乱「ッ!…そんなわけ_____」

不安が無かったと云えば嘘になる。何時も自分を守ってくれる用心棒である間宮。自分のせいで負うことになった傷は数えられない。
そんな彼女が、乱歩に不満を感じてないと云えばそんな事はないだろう。其れは乱歩も判っていた。

憂懼→←都合



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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月27日 15時

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