嗜虐心 ページ22
乱「くっ、そ」
しかし、当の本人は下を向いて黙ってしまったようだ。
『あらぁ?流石の乱歩さんでも照れちゃってるのかしら?』
今までの仕返しに、一寸揶揄ってやろうと煽りに煽る。
どんな顔をしているのか拝んでやろう。そう思い顔を覗き込むと、其処には____
『…ぇ』
乱「…みるなよ」
其の表情は頰が紅く染まっており、少し冷や汗も垂れている。眉を顰めており、綺麗な翡翠の目が見えた。
乱歩はすぐに手で顔を覆い、「早く下せ」と告げる。
『……やっぱり背中におぶるわね』
なんとか冷静さを取り戻した間宮は、一旦乱歩を下すことにした。そして後ろを向き、心臓を抑える。
(な、なんと云うか今の乱歩…すごく可愛く見えたのは気のせい、よね?やばい心臓が)
何回か深呼吸をして、本来の目的を思い出す。
そう、此処は小説の中。何が起きてもおかしくは無い。其れに、千人中五百人が殺人鬼と云う莫迦げた内容である。
間宮達は福沢を救うために今此処にいるのだ。無駄な雑念を消し、乱歩に向き直る。
『えっと…悪かったわよ。夜も遅いし、帰りましょ』
『ほら、』と背中を向けた。日も暮れて頼れるのは街頭だけ。一刻も早く宿に帰りたいと云うのが本音だ。
乱「変な事するなよ」
『…なに拗ねてるのよ』
乱「拗ねて無い!Aの莫迦莫迦ばぁぁぁあか!」
『うるさ』
その後、背中に乗った乱歩はもはや世界最速レベルで眠りに入った。
_____殺人鬼は残り約二百五十人。そして名探偵が小説を攻略するまであと一日。
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時