姫抱き ページ21
『…此処が今回の舞台ね』
登場人物が千人の舞台、其処は大正時代であった。
この場に中原の姿はなく、如何やら別行動で推理は行われるようだ。
乱「よぉーし!早速良い感じの殺人事件が起こってないか探しに行こう!」
『良い感じって…』
間宮が肩をすくめると、乱歩は自信にあふれた顔で振り返る。
乱「護ってくれるんだろ?」
『当たり前』
___________一日目
乱歩の推理もあり、なんとか殺人鬼の五百人中百人は一日で判別することができた。
が
『勝手に出掛けるなって云ってんでしょ!?アンタが死んだら終わるんだからね?!』
乱歩が勝手に痕跡や証拠を探しに出ていってしまう為、間宮も気が抜けないようだ。
乱「僕は名探偵だから大丈夫だ!」
『いや理由になってないから。…中原中也の事もあるし、私に声は掛けなさいよ?』
乱「…んー」
___________二日目
『乱歩ー?ご飯できたんだけ、ど』
宿の二階に上がり、乱歩を夕食に呼ぶ。しかし、布団に乱歩の姿はなかった。其処には"置き手紙"が一枚。
"探偵は預かった。殺してほしくなければ此処に来い"
『アイツまた…ッ!!!』
五百人の内の何人かが乱歩を危険人物とみなして、誘拐したのだろう。しかし、其れを名探偵が判っていなかったはずがない。
如何やら、今回は間宮に倒させて捕まえる作戦のようだ。
一時間後
『ッ!』
間宮の渾身の一撃が誘拐犯に決まり、ざっと四十人は倒した。縛られている乱歩を横目に、ポキポキと首を鳴らす。
異能が使えない為全て力技になるが、此の方が間宮的には楽だそう。
『私は昨日なんて云ったかしら?』
頰をつねり、左右に引き伸ばす。
乱「いひゃいんだけど。まぁこれで半分は見つけ出せたかな」
『勝手に自己完結…まぁ無事なら良いケド』
縄を解き、身なりを整えさせる。テキパキと動く間宮を見て、乱歩は無意識に発した。
乱「疲れたからおぶって」
『ッ怪我したの?!見せてッ!』
足でも切られたのだろうか、そんな考えが一気に巡った。しかし、何処にも負傷している様子は見当たらない。
(…ただ歩きたく無いってわけね)
おぶる分には構わないが、其れはちょっと癪だ。と思った間宮はある事を思いつく。
『…良いわよ。運んであげる』
乱「?運ぶって…ちょ、わ」
『これなら"怪我した足"も楽でしょ?』
乱「まっ…これ嫌なんだけど!」
彼女が行っているのは、横抱き。男にとってこれほど屈辱的な事は無いだろうと、彼女は心の中で嘲笑った。
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時