推理小説 ページ20
中「おいおい、名探偵に其の用心棒が俺の相手って訳かぁ?」
『アンタを戦闘に参加させる訳には行かなくてね』
乱「僕達が君の足止め役だ」
中「確かにアンタは探偵社の主軸だが、其処の用心棒と違って戦闘能力はねぇはずだぞ」
否、此れは相手を気遣った言動ではなく、ただ単に疑問に思った事をぶつけただけである。
しかし、其れまでも扇動するのはこの男。
乱「でも君…前に太宰に負けたんでしょ?」
(うわ、其れ云う必要ないでしょ)
間宮が心の中でツッコミを入れた手前、乱歩はしてやったりと口を弧の形にして笑っている。
中原中也が最も嫌っている相手_____太宰治の名前が出れば、もう相手は勝負になるしか無い。乱歩の言葉を聞いた中原はみるみる鬼の形相になり、異能で地面を抉った。
中「…重力に潰されてみるか?」
乱「フフ…名探偵に不可能はない」
ドンッと中原が地面を蹴り、真上から攻撃を仕掛ける。乱歩は其れを見てもあせらずただ笑っているだけであった。中原の拳が目の前まで来た瞬間、乱歩は本を取り出して、真上に広げる。
乱「推理小説は好きかい?」
中「ッ?!…拳が抜けねぇ」
中原が焦っていると、乱歩は淡々と小説の説明を始めた。
乱「登場人物は千人。しかも其の半分が殺人鬼。異能力が使えない小説世界でお互い死ななきゃまた会おう」
間宮は少し面倒くさそうに溜息を吐くと、同じように本に触れた。そして消えかかる体を目にし、乱歩に一言。
『全力で護る。アンタも、全力で推理しなさいよ』
乱「嗚呼、もちろんだ」
三人は本の中へ吸い込まれ、其処には推理小説だけが残った。
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時