使命感 ページ16
魔法陣が現れてから数時間後、ポートマフィアのボスである森鴎外も福沢と全く同じ状況だと知らされた。
これは共喰いの異能力で、二人は今異能力に生命力を奪われている。其れを止めるには、どちらかを殺すしか方法はない。
与「福沢先生に、森先生か…因縁だねェ」
乱歩は相当取り乱しており、ベットの端で祈るように手を合わせていた。間宮はそんな乱歩を見て、更に自己嫌悪が増す。心の奥がぐちゃぐちゃとかき混ぜられているようだ。
しかし
(……何時迄も弱気になんてなってらんないわね。今の私より、乱歩の方が傷ついてる。社長なら、私に"しっかりしろ"って云ってくれるはず。なら)
間宮は深呼吸すると、与謝野に話しかける。
『晶子、少しだけ二人にしてくれない?』
与「ああ、判った」
『…ありがとう』
間宮が笑いかけると、与謝野からも優しい笑みが返ってきた。どうやら、先ほどまでの空気感はもう無くなったようだ。
与謝野が出ていくのを確認すると、間宮は乱歩の隣に座った。ずっと俯いている乱歩に対して、まるで独り言のようにポツポツと呟き始める。
『私はアンタに謝罪しなきゃいけない。…ごめん。私の不甲斐なさのせいで社長が…福沢さんがこんな目に遭ってしまってる』
そして彼女は一息つくと、更に言葉を紡ぐ。
『でも、何時迄も落ち込んでちゃいられない。…私の事、許さなくてもいい。だから』
立ち上がり、扉の方へ向かう間宮。
『"私が絶対、敵を殺して社長を助ける"』
そして扉を開け退出しようとすると、背後から声が聞こえた。
乱「____社長が云ってる気がするんだ。"しっかりしろ"って」
『ッ!』
振り返ると、乱歩の光が宿った目と目が合う。
乱「何時迄も落ち込んでちゃいられない、か。確かにその通りだ。____必要な情報は、僕が全て読み切ってやる」
其の顔はまさしく、世界一の名探偵_____江戸川乱歩の姿であった。
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時