籠の中身は ページ2
『お疲れ様』
会議室に入ると、もう作戦は立てられたのか、太宰の姿は無く乱歩だけがお菓子の山をぼりぼりと食べ尽くしていた。
乱「ふん、まぁ僕にかかれば一瞬だよ」
(最初からそうして欲しかったのだけど…)
扉を閉め乱歩の隣に座る。そして自分が気がかりだった事を伝えた。
『私が死んだ後、被害者は出なかったの?』
乱「…殺されたのはAで最後」
『そう。良かった』
ほっと胸を撫で下ろす。ただ乱歩はお菓子を食べ終えたのか、食欲が無くなったのか分からないが頬杖をついて間宮を見つめていた。
そして手を伸ばしたかと思うと、スッと間宮の首筋に触れる。
『ッ……何よ』
乱「痛くなかったの?刺されたところ」
『はァ?痛かったに決まってるじゃない。貫通してんのよ?』
つぅ…と乱歩の指が首筋を沿い、彼女は身を震わせた。
(ちょ…くすぐったいんだけど)
乱「ふぅん…今は平気?」
『え?ま、まぁ…?こうして生きてる訳だし』
乱「……そっかそっか!これからも僕の為に尽くしてもらうからね!」
『…はぁ?』
乱歩は手を離すと、再びお菓子を頬張り始める。此の行動は何だったのか、間宮は頭の中を⁇で埋め尽くしていたが、此の男の意味がわからない行動など考えても意味がない。
其れは用心棒が一番よく知っている事だ。
『じゃ、私買い出しに行ってくるから。鏡花が帰ってきた時の為の準備もあるし』
間宮が此処に来た目的はもう果たされていた。立ち上がり会議室の扉を開けると、ふと後ろに気配を感じる。
振り向けば其処には乱歩が蔓延の笑みで突っ立っていた。
机の上のお菓子は既に空っぽである。
『…来るの?』
乱「うん!駄菓子がもう無い!」
『良いけど、余計な物入れないでよ?』
乱「わーい!おんぶして!」
『ちょ、危ないでしょッ!』
いきなり乱歩が乗っかってきても決して『重いから降りて』とは云えない間宮。結局、買い物かごを埋め尽くしたのは殆どが乱歩のお菓子であった。
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クリームソーダ(プロフ) - マジで理想が合いすぎのヤバい小説なんよ、まじ推してる!投稿ファイトです! (8月14日 20時) (レス) @page31 id: 26b86d7ce9 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 2度目のコメント失礼します!ホントに神すぎて思わずコメントさせていただきました!前のコメントで続編ありがとうございますに訂正します。ほんとうにこの作品神です。有難うございます・・・! (8月9日 20時) (レス) @page22 id: b30c1230b7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - 乱歩さん…!可愛すぎる!!ほんとに神作品に出会えました…!いざという時の乱歩さんのかっこいいところと普段の可愛いところをキャラを保って書かれていてホントに最高です!!続き楽しみにしてます! (8月9日 17時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 続編おめでとうございます!この作品が大好きで毎日スマホ確認しちゃいます (7月31日 8時) (レス) @page9 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - 続編おめでとうございます!私この作品大好きです!いつも読むのを楽しみにしてます (7月27日 18時) (レス) @page1 id: 32263cd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年7月27日 15時