Personalité (ページ5)

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A「………どうして私だと？」

大我「この場に居るの、俺と君しか居ないし。人の気配には敏感なんだ。」

失態だ。

まさか人前で使うとは思わなかったし、
それを気付かれるとも思わなかった。

一体何を言われるだろう。
「化け物」とでも言われるだろうか。

彼はそんなこと気にせず
まず一言目にお礼を言ったというのに、
そのときの私は恐怖で頭がいっぱいだった。

今日は厄日だ、なんて思いながら
逃げ出すことも出来ずその場に佇んでいた。

青年「……お陰で破かれずに済んだ。」

けれど私の予想とは違って、
彼はスケッチブックを見せつけてくる。

それは私が彼等の"行動"を操ったことで
破かれずに済んだスケッチブック。

A「……画家を目指しているの？」

青年「まぁ…そんな感じ。こんな世界じゃ、意味無いかもだけど。」

そう言いながら、
彼は私にそれを渡してくる。

戸惑ったが、恐る恐る受け取った私は、
その場でスケッチブックを開く。

A「…凄い、とても上手。」

青年「そうでしょ？破かれたら見れなかった。」

彼は私の腕を引き、
近くの階段へと腰掛ける。

同じように私も腰掛け、
彼のスケッチブックを見直す。

下にハンカチも何も敷かず、
スカートが汚れることなんて気にせずに。

パラパラと捲っていけば、
人物画から風景画まで、色々な絵が描かれていた。

A「綺麗。本当に綺麗。私好きかも。」

青年「レアだな。そう言ってくれる人はなかなか居ないんだ。」

ー星５レベル。
とよく分からないことを言っている彼だが、
絵は本当に素敵だった。