Personalité (ページ17)

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"治癒"。
これも居るかもしれないと思っていた能力。

私は「え」と言うか細い声と共に
ジェシーに聞き返した。

A「バレても良いの…？」

ジェシー「んーん！流石に公に治しはしない！元々医務？医療？知識があるらしいから、力を使うのは特に重体な人だけ！」

樹「見た目闇医者っぽいけどな。」

大我「それに獣が居るなんて日常茶飯事だから、自分の身を守る術くらい持ってる。だからそんな心配しなくても大丈夫だよ。」

大我が見せてくれた画面には、
先程話に出てきた花売りの少女と
挨拶を交わす優吾の姿が映っていた。

こんな小さい子も、
もう外に出て仕事を始めているんだ。

本当に、此処は獣に近い場所なんだな。

A「みんな凄いね。」

私にとって、此処はとても居心地が良い。
貴族には無い、彼等の強さが好き。

一人では生きられない貴族と違って、
とっても魅力的で、私に合っていた。

北斗「…事情は京本から色々聞いてる。だから、えーっと、…いつでも、来なよ。」

北斗は照れ臭そうに告げる。

慎太郎とジェシーがそんな彼の真似をして
揶揄い、怒られていた。

その姿に自然と笑みが溢れて、
久し振りに大声を出して笑った。

私を筆頭に、みんなも笑いが移っていき、
室内には笑い声がこだまする。

その後、歓迎と称されて硬いパンを貰った。

まるで石のようにカチカチで、
「かぶりついてみなよ！」
と言う慎太郎に勧められて
思いっきりかぶりついたが、
私には噛み切れなかった。

北斗や大我は「仕方無い」と慰めてくれたが、

いつか、このパンを
噛み千切れるようになりたい。

そんな私を見て
爆笑するジェシーや慎太郎につられ、
また、大口を開けて笑った。