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そう言えば、
二年程前、幼少期振りに寝込んだっけ。
かなり酷いもので、
数日間寝台から起き上がれなかった。
お母様が亡くなって直ぐのことだったから、
精神的負担で体調を崩したと思っていたけど、
もしかしたらそれが該当するかもしれない。
そのことを伝えれば、
合点がいったとでも言うように、
六人は目を合わせていた。
北斗「俺達も、この力を得る前、同じように高熱を出したんだ。寝て起きたら、こうなっていた。」
樹「俺達みたいな能力を持っている奴はね、一度ウイルスに感染してるの。」
A「え…?私達ゾンビになってないよ?」
樹「俺だってずっとイケメンのままよ?」
樹が言うには、
ウイルスに感染して直ぐに
ゾンビ化するわけじゃないらしい。
意識がぼんやりして、
体が火照ってきて、
大体二時間程かけてあの獣に成り果てる。
北斗「これはあくまで仮説だけど、俺達みたいなのは、その二時間を乗り越えてゾンビ化しなかったから、ウイルスが体の中で変化して特殊能力になった。」
ー何で乗り越えられたのかは分かんないけど。
と嘲笑しながら続けた北斗。
ジェシーと慎太郎はその後ろで
獣の真似をして遊んでいる。
北斗「つまり、抗体を持ったんじゃないか。そう考えたわけ。」
大我「でも能力を使うと必ず代償がある。キャパがあって、無限には使えない。俺達は、この力は一種の身体能力だって結論付けた。」
樹「いつ無くなるかも分かんねぇけど、まぁ相棒として受け入れるべきだってことだべ。それぞれの個性だよ個性。」
北斗「俺達が調べられたのは此処まで。」
北斗は悔しそうに笑ったけれど、
それだけでも凄いと思う。
だって私はこの二年間、
ただ使うだけで調べようともしなかった。
人に気味悪がられるのが怖くて、
私が異常だと思って、隠してきた。
ジェシーの能力があるとは言え、
此処まで調べられたのはかなり凄い。
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作者名:Shiona | 作成日時:2024年3月22日 23時