Personalité (ページ13)

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A「え、…同じ？」

《そうそう。現にこうして分かりやすいのは使ってるし。聞こえてるでしょ？》

突如、ジェシーの変化に
戸惑っていた私の頭の中に、声が響いた。

ビクッと肩を震わせて辺りを見回すけど、
誰も口を開いていない。

A「…今の、樹？」

樹「そ〜。じゅったんの、愛の告白♡」

声からそうじゃないかと思って
当ててみたけど、まさか本当に樹だとは。

大我は影を操ることが出来る。

ジェシーは他人に姿を変えることが出来る。

樹は知覚器官を使わずに話すことが出来る。

本当に、同じなんだ。

さっき樹は
"分かりやすいのは使ってる"
と言っていた。

じゃあ他の三人も、
能力を持っているのだろうか。

自然と、視線を移す。

慎太郎はニカッと笑い、
北斗はじっと見つめ返し、
優吾は手を振る、など、

私の視線に気付いた三人は
各々個性的に応えた。

大我「前回会ったときにはお嬢様の力のことは知ってたし、みんなに話したら会いたいって言うから。」

A「そうだったんだ…。」

樹「それでさ、Aはこの力のこと、何処まで知ってる？」

私の座るソファの背もたれに
後ろから顎を乗せてきた樹の方を見る。

ニコニコと可愛子ぶる様子とは裏腹に、
その言葉は私の中身まで透かして
見ているような鋭いものだった。

A「ほとんど分からない。ただ使えるだけ。」

大我「一度見ただけだけど、人を操る能力で合ってる？」

A「…人の"行動"を好きなように操ることが出来る力だと思う。動きだけで、感情までは操れない。」

大我を助けたときも、
男性達を退けることは出来たけど、
彼等は勝手に動く身体に困惑していた。

この力を使えるようになってから、
行動と感情は別々だった。

優吾「俺らね、この力について調べたんだ。自分だけじゃなく、同じような状況になっている人が他にも居るって知ってから、これは何かある！ってね。」

A「他にも能力を持っている人が居るの？」

慎太郎「何人かね！ジェシーの力で色んな懐に入り込んで情報を集めたわけよ！そしたら面白いことが分かった！」

北斗「この力を得る前に、何か異変がなかった？」

ー高熱を出したり、大怪我をしたりとか。
と言う彼を見ながら、
あるだけの記憶を掘り返してみる。