B級ランク戦ROUND６�� ページ20
「おっと？樫尾隊員が止まった！」
「おもしれーなチカ子。ジャンプ一つでワイヤーを匂わせた」
先程見せた雨取の行動は、樫尾の足を止めさせるには十分だった。チープなトラップではあるが、そしてその効果は抜群だった様だ。
「あれ教えたのお前か？」
『いえ、私は少し助言しただけですよ』
彼女が考えた対策です、朝香はと言葉を締め括った。
朝香はそう言ったが、澤からすればお前の指導の賜物だよと言ってやりたかった。
戦闘キャリア四年は流石に伊達じゃない。
そして、画面には雨取と樫尾の間に立つ三雲が映されていた。どうやら合流を果たしたようだ。
そこからは早く三雲によって樫尾が落とされ、空閑は一人で生駒隊を相手しているという戦況。
「王子が見当たらないな、隠岐追ってたろ」
『玉狛の方に行ったのでは？落としやすいですし』
朝香のスッパリと言い切ったその様子を見て澤は「お前よく分かんねぇな」と前屈みで膝に肘を置いた体制で、朝香を見た。当の朝香は背もたれに寄りかかって組んだ脚の上に手を添えた状態で澤を一瞥し画面に視線を戻す。
『期待はしています。ただ、実力を買っている訳ではありません』
朝香は時たまこのような屁理屈を言うことがある。しかし、それは事実であり間違いでは無いのだ。朝香の言葉を聞いた澤は「ふーん」と適当に相槌を打った。
その直後、三雲が緊急脱出した事を告げる国近の声が会場に響き渡った。
彼を落としたのは朝香の予想通り、王子であった。
「そしてこれは雨取隊員も逃げきれなさそう！空閑隊員もこの距離では間に合わないか！」
「まー仕方ねえな。どうしたって空閑のいない所が穴になる」
それが玉狛の弱点だ、と当真が解説をする。
これは以前、朝香が東に言ったことと同じだ。朝香も澤もそれは十分過ぎるほどに分かっている。
雨取が落とされるのは最早免れないか、と澤は少し落胆していたその時、朝香が口を開いた。
『確かに、彼らの欠点は大きい』
朝香が発したその言葉に、澤は首を捻る。
そして、会場が騒然とする。
「これは...鉛弾じゃない素の追尾弾！？」
「撃てんのか！？」
その様子に、澤も驚く。まさかあの雨取が、ノーマルの追尾弾を起動させる日が来るとは。
そして再び、朝香の声が響く。
『でもその欠点を補う為に、努力のできる子達です』
朝香の言葉を合図に、雨取は王子の足元に追尾弾を放つ。
これにより、雨取は逃げ切りに成功するのだった。
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にこ(プロフ) - この度はこんなにも素晴らしい作品を作成してくださりありがとうございます（ ; ; ）出会えたことにとても感謝しております！他の作品も楽しみにしております！完結までお疲れ様でした＾＾ (2022年1月31日 0時) (
レス) @page32 id: 122cc99496 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 綺世さん» 楽しみにしてます！(*´꒳`*) (2021年11月2日 16時) (レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - そるとさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！また作品を出した際にはよろしくお願いいたします。 (2021年11月2日 11時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ワールドトリガーで一番好きな作品だったので完結したのがとても嬉しい反面寂しい気がします、次作も楽しみにしてます！ (2021年11月2日 7時) (レス) @page32 id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2021年8月11日 3時
