意外にも、好戦的 ページ36
時は過ぎ2月11日。
その日、朝香はランク戦ブースに居た。
《米屋ダウン》
《米屋ダウン》
《米屋ダウン》...
無機質に流れ続ける《米屋ダウン》と言う言葉。
そう、大規模侵攻のアレのお礼として頼まれていた米屋との勝負だ。最早付属品とも言える出水と緑川もそれを観戦していた。
結果、30本勝負でカウント21-9。朝香の圧勝だった。
「やっぱ速ぇ〜！追いつけねーわ」
『まあ、それぞれにタイプと言う物があるから』
朝香は少しめくれていた隊服の裾を直しながら米屋にそう声をかける。ご最もな意見だ。
スピードタイプである朝香とテクニックタイプの米屋では、戦い方が大きく異なる。故、同じポジションでも勝ちやすい勝ちにくいが生まれて当然なのである。まあ単純に、朝香の実力が米屋に勝っていた事が勝負の経緯に関与していないとは言えないが。
「お、しゅんが居る」
「あ！遊真先輩！」
突然緑川の名前を読んだ声がする。その主は最近ボーダー内を騒がせている玉狛第二所属の攻撃手、空閑 遊真だった。空閑は一行の所へ来ると一人一人に挨拶をする。
「そちらの方は？」
空閑は朝香を見て首を傾げた。
「遊真先輩初対面か！紹介するね、A級ソロの朝香Aさん！攻撃手でスコーピオン使ってるよ」
緑川がそう言って朝香の事をみてニコニコする。
空閑も朝香と言う名を聞き「おお、貴女がオサムの事を助けてくれた方でしたか」と緩いテンションで続けた。
『ご紹介に与りました、朝香です。玉狛第二の快進撃、楽しく拝見させていただいています』
「これはこれはご丁寧に。こちらこそオサムの件と言い誠にありがとうございます」
二人の会話に三バカは「堅苦し！」と同時にツッコむ。正直これに関しては、朝香のせいだ。
「皆でランク戦？」
「そー！Aさんが珍しくよねやん先輩の相手してあげてたからそのついでにと思って！」
それを聞いた空閑が朝香は強いのかと三バカに問えば、三バカは口を揃えて「俺たち勝ったことない」と言う。そして「とりあえず足が速過ぎて無理」と言うことを空閑に伝える。
「ほほう、それは興味深い」
『奇遇だね』
今まで会話を聞いて居ただけだった朝香が、口を開いた。
『私も、君には興味があって』
そして、その深海のような瞳を空閑に向ける。
『一戦いかが？』
「よろこんで」
久々に現れた、朝香の好戦的な瞳。
朝香が誰かをランク戦に誘うなど、明日は槍が降る。
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そると(プロフ) - ワールドトリガーの小説の中で1番好きな作品で何度も読ませて頂いてます！新作も面白いので綺世さんの毎度更新楽しみにしてます。 (2022年2月12日 16時) (
レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
みくく - 荒船さんが思ったより出てきて凄い嬉しいです!朝香ちゃん淡々としてますね笑 (2021年7月14日 21時) (レス) id: 173121a55e (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - Noahさん» そう言っていただけて光栄です。作品、拝読させていただきました。勉強になる様な表現が沢山あり、読んでいて楽しかったです！お互い、執筆活動頑張って行きましょう！ (2021年7月9日 17時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すごく好きです…!!作者様のペースで更新たのしみにしてます (2021年7月8日 10時) (レス) id: db354829ef (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - みくくさん» ありがとうございます！こちらこそこれからもご愛読よろしくお願いします！ (2021年7月1日 22時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2021年6月10日 20時
