進学先�� ページ28
声を上げたの三雲だった。
つい最近隊を組んだばかりの三雲はこの隊長会議に参加するのは初めてで、知り合いは殆ど居なかった。
そんな三雲の声を拾ったのは、同じ玉狛支部所属玉狛第一隊長の木崎だった。
「どうした修」
「あ、この朝香 Aさんって...」
三雲がそのページを木崎に見せると、木崎はそれを手に取り目を通す。
そして、普段はあまり動かない表情が少しだが驚きの表情へと変わる。
「彼奴、ボーダー辞めるのか」
木崎の声は思いのほか響く。
その言葉に疑問を抱いたその場に残っていた隊員は自身の資料の最終ページを確認する。
そして朝香の名前を発見し、まばらに驚きの声を上げ出すのだった。
誰が彼女の離脱を予想出来ただろうか。
できたとしても迅か、それこそ朝香自身くらいなのではないだろうか。
その後、【朝香がボーダーを辞める】という事実は瞬く間にボーダー全域に知れ渡っていった。
そして現在、朝香は思ってもみない形で自身の離脱が認知された事で対応に追われていた。
「ちゃんと説明してくれる？」
『一旦落ち着け、皆』
「ぱっと出てこないような理由なのか、辞める理由が」
『いや...別にそういう訳じゃ』
「じゃあ言えるよなァ、嘘つくんじゃねーぞ朝香」
「家庭の事情とかで逃げんのは無しな」
同級生による問い詰めに朝香は返答に困っていた。
いや、話せって言う割に全然話聞いてくれないじゃないか、と朝香が猛獣に追い詰められた小動物の様になっていると猛獣達の事を誰かが後方に引く。
「そんな問いつめたら朝香ちゃんも答えるに答えられないでしょー」
「一旦話を聞こう」
猛獣達の手網を握ったのは同級生である北添と先程ランク戦を終えたばかりの村上であった。
二人に感謝をしながら周りを見てみれば、猛獣達の他にも先輩後輩、戦闘員オペレーター問わず多くの隊員が真剣な眼差しで朝香を見ていた。
『(...あの二人の言う通りだったって訳か)』
朝香は荒船から渡された資料を折れないように閉じてそれを荒船に渡す。
これ返す、と一言告げて肩からズレた鞄の持ち手を肩に掛け直す。
「で、何で辞めんだよ」
『大学進学だよ』
朝香があっさりと答えたその返答に、その場にいた者は首を傾げた。
「お前、三門市立大じゃねーの？」
当真が朝香にそう聞けば、朝香は何でもないような顔でこう答えたのだった。
『いや、東北の大学だけど』
「「...え？」」
その場にいた全員が驚きのあまりフリーズした。
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そると(プロフ) - ワールドトリガーの小説の中で1番好きな作品で何度も読ませて頂いてます！新作も面白いので綺世さんの毎度更新楽しみにしてます。 (2022年2月12日 16時) (
レス) id: 60475fc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
みくく - 荒船さんが思ったより出てきて凄い嬉しいです!朝香ちゃん淡々としてますね笑 (2021年7月14日 21時) (レス) id: 173121a55e (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - Noahさん» そう言っていただけて光栄です。作品、拝読させていただきました。勉強になる様な表現が沢山あり、読んでいて楽しかったです！お互い、執筆活動頑張って行きましょう！ (2021年7月9日 17時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すごく好きです…!!作者様のペースで更新たのしみにしてます (2021年7月8日 10時) (レス) id: db354829ef (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - みくくさん» ありがとうございます！こちらこそこれからもご愛読よろしくお願いします！ (2021年7月1日 22時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2021年6月10日 20時
