捜索�� オクタヴィネル寮 ページ19
ｰ アズール･アーシェングロット ｰ
「本当にもぬけの殻、ですね」
「えぇ」
僕はジェイド、フロイドを連れて失踪したクジラさんの部屋に来ているわけだが
部屋は先程まで人が居たかのような状態のまま。
彼は三年生なので、同室人はいない。
不思議な話だ。
「えぇ？ホントにクジラ先輩いなくなったのォ？めちゃくちゃ生活感あるけど〜」
フロイドがあちらこちらを見ながらそう呟いた。
確かにクジラさんは七名の中で一番最後に連絡の途絶えた人物だ。
最後に連絡をとったのは僕で「バイトしばらく休みたい」とメールが入ったのがおよそ一週間前。
それ以来、音信不通だ。
「部屋を探しても仕方が無さそうですね。彼と仲の良かったイルカさんに話を聞いてみましょうか」
「そうですね」
とりあえずクジラさんの部屋を出て、彼と仲の良かったイルカさんの部屋を訪ねた。
「お休みのところすみません。クジラさんの事で少し聞きたい事がありまして」
「はぁ、何か」
イルカさんからは不安の色が伺える。
心配になりますよね。僕もジェイドやフロイドが急に失踪したら同じ気持ちになるはずだ。
「クジラさんが学校に行っていない理由などはご存知ですか？」
「……思い当たる事は無いですが」
「ですが？」とジェイドが聞き返せば、イルカさんは一瞬戸惑い、再び口を開いた。
「僕の勘違いだったらアレなんですが……クジラ、いつも退屈そうにしていたなと思って……」
「あ〜、分かる。クジラ先輩めちゃくちゃ頭いいし、魔法とかもレベル高かったよねぇ。無口で口には出さなかったけど俺達のこと多分下に見てたよね」
「何処ぞの寮の奴らみたいにぃ」とフロイドは続けた。
確かに、クジラさんの成績は学年でもトップクラス。
飛行術も人魚なのにできていたし、魔法のレベルも高かった。
つまり、フロイドが言いたいのは彼はここの寮にはあってなかった、という事だろう。
正直僕も、彼の性格からしてディアソムニア寮辺りが妥当だと考えていた。
でもそれが理由で失踪するのはおかしい。
今まで三年間、この寮で過ごしてきていたわけですし
心境は分からないですが、苦労無くにここで生活していたわけですからね。
「僕が知っているのはこのくらいしか……」
「なるほど、ありがとうございました」
僕達はイルカさんにお礼を言って、部屋から出た。
……結局、謎が深まっただけでしたか。
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ナメダンゴウオ(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく惹かれる作品でした。 (2021年6月12日 22時) (
レス) id: 6e91026fe2 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで素敵なお話をありがとうございました。 (2021年6月9日 9時) (レス) id: 377aae7433 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。待ってます。 (2021年4月12日 22時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます (2021年2月2日 8時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 19ページ クジラ が グジラ になってます。 (2021年2月2日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2020年10月22日 3時
