私、調教師なので。 ページ11
ｰ A･オズワルド ｰ
『イデア』
「ひょえぇぇ！！」
ここの寮はホントに薄暗くて向こう側から歩いてくる人が誰かなんて分かったもんじゃないよ。
人柄が出るのかね……寮ってのは。
だとしたら私は完全にアウェイなのだけども。
ま、その話は置いておいてだ。
『寮長会議はどうした？』
「り、リモートで参加しているでござるよA氏……『繋がった端末も無いのに？』ひ！そんな顔で見ないでぇぇえ！！」
『はぁ、今日は寮生全員分の配布物があるんじゃなかったっけ？』
「う……それは……」
私は腕を組みイデアをジト目で見る。
うちの寮長は全くもって世話がやける。
自分のやりたくないことからはとことん逃げるこの性格はどうにかならないものか……
『今からでも間に合うよ、行きなさい』
「絶対に嫌でござる！あんな陽キャの集まりみたいなのに行く必要性とか見いだせないわ……」
その後もブツブツ何かを言っている。
このままじゃ埒が明かない。
かと言って配布物が届かないのはもっと問題だ。
私はこの短時間で何度目かのため息をついた。
『とりあえず、部屋に戻って会議の内容しっかり聞け。僕が配布物は取りに行ってくる』
「本当でござるか！！A氏〜〜！いやぁ、拙者は最高の友を持ったでござるなぁ」
『……この下り何回目……』
私はイデアを彼の部屋に放り込んだ後、自室に向かい制服に着替える。
黒のワイシャツと青色のベストに腕を通し、ネクタイをしめる。
え？服装が違う？
私は会議とかそういった時は正装していく派なんだ。
そこのメリハリは結構大切だと思ってます。
最後にジャケットを羽織り、部屋をでて校舎へと向かった。
･
鏡の間の扉を叩くと中から「どうぞ」と帰ってくる。
『会議中失礼します。配布物の受け取りに参りました』
私はそう言って寮長達が集まる机まで歩いて行く。
ヴィル君の隣の空いた席の目の前に置かれた配布物を手に取る。
「いつも悪いですねオズワルド君」
『いえ』
そう言って私が配布物を持ち上げると、気ダルげな声が飛んできた。
「お前カイワレの召使いかよ、いつも取り来るのお前じゃねーか」
レオナさんのその言葉に私はとりあえず笑ってみた。
召使い？いやいや
『調教師って言って貰えます？？』
「とんでもねぇ野郎だなお前」
レオナさんの返答に「そりゃどーも」と相槌をつき
寮長達に会釈をした後颯爽と部屋を去ったのだった。
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ナメダンゴウオ(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく惹かれる作品でした。 (2021年6月12日 22時) (
レス) id: 6e91026fe2 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後まで素敵なお話をありがとうございました。 (2021年6月9日 9時) (レス) id: 377aae7433 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。待ってます。 (2021年4月12日 22時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます (2021年2月2日 8時) (レス) id: d271d60620 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 19ページ クジラ が グジラ になってます。 (2021年2月2日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺世 | 作成日時：2020年10月22日 3時
