一生は束の間 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:13 hit、合計:22,179 hit

８ページ8

Aside

樹「Aちゃんはいいの？」

あ「なにが？」

樹「友達とかに余命伝えなくて」

あ「伝えなきゃとは思ってるんだけどね、真菜を悲しませたくないんだよね
それに向こうも忙しいと思うし」

自分でも逃げてるだけだってわかってた、傷付きたくないだけなんだって

樹「俺が言えることじゃないんだけど、それって逃げてるだけだよね？
自分が傷つくのを恐れてるだけだよね？俺だって逃げてたけど向き合えばわかり合えるよ

Aちゃんなら大丈夫だよ、だからちゃんと話してこい？
真菜さんならきっと受け止めてくれるんじゃない？」

そう優しく頭を撫でてくれた樹くん
私は今から会えるかと真菜に連絡した

あ「行ってきます」

樹「行ってらっしゃい」

真菜の家へ向かうと優しく笑ういつもの真菜

真菜「急に会えるってどうしたん？」

あ「真菜にずっと黙ってたことがあるの」

真菜「ん？なに？」

目の前に温かいココアを置いてくれる真菜

あ「私、彼氏がいてね？その人SixTONES田中樹くんなんだ
きっかけは彼のナンパなんだけどね、」

真菜「そっか、すごいじゃん」

あ「うん」

真菜「それ以外にも言いたいことあるんでしょ？
大丈夫、あんたの近くにどんだけいると思ってんの？」

あ「っ、私あと半年で死ぬんだ、拡張型心筋症っていう病気で
樹くんも一緒なの、延命治療するつもりはない、これは私が決めたこと

真菜には言わないつもりだったんだけど樹くんに逃げるなって言われて
私真菜との日常が壊れるのがやでずっとずっと言わずに逃げてた

最期まで逃げるつもりだったけどもう自分の問題から逃げるのはやめた
全然うまく文章まとまらないけど、ごめんね」

そう言うと真奈は涙を拭ってこう言った

真菜「A？逃げないで伝えてくれてありがとね
そっかぁ、半年後には私の隣にいないんだね、

A、あと半年たくさん楽しい思い出作ろうよ
でも最期の1日は彼氏さんと過ごしてね？

これが親友、桑田真菜からの命令だよ
A、ずっと辛かったよね、一人で悩んで苦しんで

でもAはひとりじゃないんだよ、だから笑って生きよう？」

そう強く抱きしめられた

思ったより世界は愛で溢れているのかもしれない