一生は束の間 (ページ2)

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樹side

一生は束の間だ、人間はいつ消えるかわからないものである

数週間前からよく分からない動悸や過呼吸が多くなっていった

樹「っは、ひゅっ…はあっ…はあっ…ひゅっ…はあっ」

北「じゅり？ゆっくり呼吸しよう、大丈夫できてるよ」

もしこのまま北斗がいなくて一人で息を整えていなくてはいけなかったと思うと怖かった

北「よくなるの？」

俺の手が震えてることに気づいたんだろう、その手をギュッと握ってくれる北斗

樹「最近よくなる、ストレスかな」

北「そう、結構続くような病院行ってみな」

樹「うん」

病院に行くつもりはなかった、でも１週間後息が吸えなくなった
北斗に電話をするとワンコールで出た

北『もしもし？じゅり？』

樹「っ、ひゅっ…はあっ…ひゅっ…ほくっ」

北『あー、今家？家ならスマホ２回トントンってして』

トントンと震える手でスマホをタップする

北『大丈夫、俺いる、ゆっくりね、そうそう大丈夫できてるできてる』

樹「っ、北斗ありがとっ」

北『ん、病院ちゃんと行けよ』

さすがに病院に行かなきゃマズイだろうと思って病院へと向かった

先生「拡張型心筋症ですね」

どこかで聞いたことのある名前だった、必死に頭を回転させる
ああ、きょものドラマだってことは俺は死ぬのか？

樹「俺、死にますか？」

先生「１年後の生存率は38.0％です」

１年後、俺はこの世にはいないのか

先生「延命治療行うこともできますが」

樹「それだけはしたくないです、俺はジャニーズです
ファンの人に死ぬまで幸せ届けるつもりなんで」

先生「わかりました」

失礼しました、と病院を後にするとなにやら泣いている女性

俺は不思議と声をかけて家へと連れて帰っていた