田中樹を一目惚れさせた女 (ページ23)

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樹side

風呂から上がってドライヤーで髪を乾かしていると
ドンッという音、Aが倒れたのかと思い脱衣所を急いで出る

リビングのテーブルには飯が用意してあってでもAは居なくて
リビングまで行くと壁に寄りかかって荒い呼吸を繰り返しているAがいた

その手は下腹部をさすっていてああ、生理だったのか、とひどい言葉を言った自分自身を責める

樹「女の子の日だった？」

あ「っ、はあっ、いつもよりひどかった」

樹「ごめん、俺の都合で苦しませたよね」

あ「んーん、わたしもごめんっ」

樹「飯、作ってくれてありがとう」

テーブルの上には俺が好きなオムレツ

あ「っ、」

急に立ち上がったと思えばトイレへと駆け込んだA
こんなになるまで無理させてしまったんだと思った

あ「ｳｯ……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……ｵｴｯ…ｹﾞﾎｯ」

いつもAが体調を崩しているとき俺はトイレに入ることはない
いてもたってもいられなくて俺はトイレの扉を開けた

樹「ごめんな」

フルフルと首を横に振っている

あ「っ、もっ大丈夫」

俺に身体を預けてきたA
そのまま姫抱きにしてソファーに連れて行った

樹「今日、朝からひどかった？」

あ「うん」

樹「そっか、無理させたよな
なのに俺、飯作れってほんとごめん」

そう謝ればAは俺に腕を伸ばして抱きついてきた
かと思えばこう言葉を紡いだ