田中樹を一目惚れさせた女 (ページ16)

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幸せな時間ページ16

樹side

樹「ただいま」

そう言っても何も返ってこなかったのに今は
大好きな人のおかえり、という声が聞こえる

あ「仕事、お疲れ様」

樹「ん、ありがと」

何気ない時間が幸せでご飯を用意してくれて
それを一緒に食べる

食べ終わってソファーに座りテレビをみる
でも今はただただAのそばにいたくて仕方なかった

食器を洗っているAを後ろから抱きしめると
俺の身体にすっぽりおさまってしまう

少し、痩せた気がする

樹「A、ちゃんとご飯食べてる？
少し痩せたんじゃね？」

あ「食べてるよ、てか樹が痩せ過ぎなの」

樹「いや、俺だってチャンプあったからAより体重あるわ
体重何キロよ」

あ「45kg」

明らかに前より体重が落ちていた
でもその理由を聞くことはできなかった

樹「そっか、」

あ「うん、」

沈黙が続いても不思議と変な違和感はなくて
むしろどこか心地よかった

でももう少しAに触れていたくて
俺は食器を洗ったAの手を引いてソファーに座った

そのままAを抱き寄せる、Aの手が俺の背中に回る
少しだけ背中をさすると鼻を啜る声

樹「辛いことあった？」

あ「ん、」

樹「そっか、なんも言わなくていいよ
大丈夫、俺はいつでもAの味方だよ」

あ「ね、樹」

樹「ん？」

キスして、なんてお願いしてくる彼女
そのままソファーに押し倒してキスをした

そして誰にも取られないように鎖骨に赤い花びらを一つ散らした