9人でシェアハウス。2＿HSJ＿

64話 八乙女side ページ17

山「…何か飲みたくなってきた」



八「…このタイミングで？」




薮の病室に着くなりそう言った。



八「さっきスーパー行ったとき何か飲み物買うかって聞いたら いらない って答えたよなお前…？」



山「今とさっきでは違うんですぅ」


口を尖らせてそう言う山田。



んー…イケメンだし可愛いけど…



八「なんか腹立つな」



山「おい今イケメンだし可愛いけどって思ったろ恥ずかしいからやめて」



八「ほら、買ってくるんだろ？ お金渡すから俺の文もお願い」



山「スルーかよ！ てか結局ヒカも飲みたいんじゃん」




八「うるせぇな早く行け」




山「はーい行ってきまーす」




何買おっかな〜なんて言いながら山田が病室から出ていく。




…今更だけど今この部屋に俺と薮二人きりなのか。




うわ、気まず。




とりあえずベッドの近くへ行き、「おーい」となんとなく声をかける。




八「早く起きろよな、…寂しいんだから」





そんなちょっと個人的に恥ずかしいセリフを言っても起きる気無し。




まぁこれで逆に起きられたらただ更に気まずいだけなんだけども。





薮は酸素マスクを付けて寝息をたてながらスヤスヤと寝ている。





八「すげぇな薮、あんな勇気出るなんて」




あの時の光景を嫌でも思い出しながら寝ている彼に話しかける。




八「…やっぱり良い奴だなぁ、お前って」




手をぎゅっと握ってみるとほんのり温かい。



いつもお喋りだから、喋ってないだけで死んだんじゃないかって少し心配してしまう。





寝てるから喋ることが出来ないってのは当たり前なんだけど、ね。

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