幼き少女は鬼を斬る (ページ3)

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鬼ページ3

夏「ふ、冬…逃げて…。」

夏が横腹を押さえながら言ってきた。

逃げる？何から？

？「稀血がいるじゃねぇか。ついてるぜ。」

冬「だ、誰っ！？」

夏「冬っ！！」

夏の声が近くで聞こえた。

夏が駆け寄って来ている。

後ろで気配を感じた。

何かが私の後ろにいる？

夏が血のついた手で私を突き飛ばしてきた。

ｻﾞｼｭｯ

何かが斬れる音がして私の顔に暖かいものがかかった。

これが夏の"血"だと言うことに理解するのには時間がかかった。

ﾄﾞｼｬﾘと音がして夏が崩れ落ちた。

鬼「チッ。仕留め損なった。」

冬「あ、あああああ……」

地面に倒れた夏はピクリとも動かない。

死んだ。

すぐに分かった。

鬼「まぁいい。今殺せば良いことだ。」

鬼が夏を踏みつけてこちらに近づいてきた。

冬「うっ…、うわぁぁぁぁぁぁ！！」

私は近くにあった草刈り鎌を持って鬼に飛びかかった。

何度も、何度も鬼に鎌を振り下ろす。

しかし、鬼は日の光か日輪刀でしか殺すことが出来ない。

そんなことを冬が知るハズもなかった。

いや、知っていた。

知っていたけど夏を目の前で殺されて、気が動転してしまっていた。

鬼「この糞ガキ！！」

鬼が爪を振り下ろす。

冬に爪が届こうとした瞬間…

？「虫の呼吸蝶の舞。戯れ。」

誰かが鬼を攻撃した。

冬にはその人が助けに舞い降りた蝶のように見えた。