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「..............やぶっ」
薮は持ってきた札束には興味を示さず
何と書いてあるか分からない英語表示の
煙草をポケットから取り出した
ライターで先の方に火を付けながら
面倒くさそうに光に目線を向けると
咥えた煙草から
白く甘い香りを放つ煙をふっと吐き出した
「もう....辞めてよこの仕事、」
「なんで、理由は?」
俯きがちに発した光の言葉に食い気味で発し まだ吸えるであろう煙草を灰皿に雑に押し付けた
「騙された、人たちが...可哀想だよ.....」
「違う、騙される方が悪いんだよ」
その言葉を聞いた瞬間
薮は、光の腕を爪が食い込みそうな程強く掴み
2人にしては広いソファーへと押し倒した
雨で冷えた薮の手が光の頰、首筋、鎖骨を滑らかにゆっくりと伝った
「俺が騙してるって言うなら」
「光のことも、本気じゃ無いってことだよ」
" 自分が騙されているかもしれない "
そう思っていても
光には、自分が一番だと言う謎の自信があった
だが、直接本人の口から聞くと
無駄にあった自信は段々と薄れていく
「薮の中に俺はいないの......?」
脳で考えるよりも先に言葉を発してしまった光に薮は口角を少し上げた
「俺は、愛してるよ」
嘘か真実か分からない言葉にも関わらず
愛してるその言葉だけに光は舞い上がる
只々純粋に
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作者名:Ash | 作成日時:2018年6月19日 21時