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『莉乃ちゃんそろそろ帰ろ?』



「私、まだ飲みます!Aさ〜ん」





って何だか情緒不安定な莉乃ちゃん

ずっとガブガブ呑んでもうこれは二日酔いだな…

そう思うぐらいのペースで呑み続ける。





『吐いちゃうよ?もうやめよ?』



「Aさんは好きな人…いますか?」






唐突に聞かれたその質問に 目が大きく開く

酔っ払っているからなのか莉乃ちゃんの開いた口は止まらない






「私…いるんですよ。この話だけ聞いてください」





コートを着て立ちかけていた私は

さっきの位置に戻り コートを脱ぐ。




『でもお酒はダメよ』



「はい…」





“ 好きな人 ” “ 思い続けてる人 ”

がいることって幸せなんだと思う。


なのに…それでも悲しくなるのは誰にもわからない理由だから…。



私も誰かに話したかったけど弱くて言えなかった

でもそれを啓司さんに話せた。



その時の気持ちは…表せないほどの解放を味わえたの




今 私に話そうとしてくれている莉乃ちゃんは強い。

だからこそ私が受け止めてあげないといけないの。






『で、どうしたの?』




「私 今の会社に入社する前は違う会社を親のコネで働いてたんです。

その時の私は企画を毎回任されていたんです

でもそれを親のコネだから…とか言われて

確かに親のコネで入ったんですよ でも企画担当は私の実力でした。」






肘頬を付きながら話を聞いていたら

好きな人の話…ではないよね?そう思ったけど

黙って聞くことにした。






「コネ コネばっかり言われてメンタルに来た時に
ある先輩が声をかけてくれたんです。

そんな奴らにはお前の実力なんてわかんねぇよ。
心が腐ってんだ、ほっておけ。 って

言い方はキツいけどその人に凄い励まされたんです

その時に一目惚れというのをしたんです。」





『…そうなんだね』



誰かわからないけど
恋に落ちたきっかけは どこか私に似てる
そう思った。


その話をしている莉乃ちゃんは
手元にあるグラスを両手でコロコロしながら、見つめながら
幸せそうに…懐かしそうに話していた。





「でも…」





さっきの幸せそうな顔は消えて





「その人は…他の誰かを愛しているんです。」






この時 莉乃ちゃんの気持ちが痛い程わかった。


心が締め付けられて

苦しくて

叶わないのなら止めたい。なのにやめられない



その切なさは本人しかわからないはずなのに…








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(プロフ) - すごく面白いです(^-^)結末迷っちゃいますwこれからもがんばってください! (2018年3月18日 8時) (レス) id: ad8532904c (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - お疲れさまでした☆ゆっくり頭を休ませてあげて、くださいね(。-人-。) (2018年3月13日 9時) (レス) id: a2840c445d (このIDを非表示/違反報告)
wan(プロフ) - 受験お疲れ様です!これからの更新楽しみに待ってます!! (2018年3月13日 0時) (レス) id: 22373f2dec (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - 試験終わるまで静かに待ってます。ファイティンですq(^-^q) (2018年3月5日 1時) (レス) id: a2840c445d (このIDを非表示/違反報告)
wan(プロフ) - 試験頑張ってください!1週間楽しみに待ってます!! (2018年3月4日 22時) (レス) id: 22373f2dec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cocoa | 作成日時:2018年1月27日 8時

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